佐世保市にある「ハウステンボス」にIR(カジノを含む統合型リゾート施設)誘致を進めている長崎県で、カジノに反対する市民団体が県議会に対し、IRの誘致に向けた国への申請の中止を求める請願書を提出するという動きがあった。
長崎県及び、IR設置・運営を行う事業予定者である「CASINOS AUSTRIA INTERNATIONAL JAPAN(以下、CAIJ)」は、佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」へのIRの整備を目指しており「区域整備計画」を県議会の意見などを踏まえて作成し、来年4月までに国に申請する予定だ。
NHKの報道によると、それに対し、IRの誘致に反対する市民団体が30日、県議会を訪れ、議会事務局に国への申請の中止に向けて、県議会が取り組むよう求める請願書を提出したという。請願書は、県が説明するIRによる経済効果の積算根拠は明確ではなく、ギャンブル依存症のおそれを排除できない以上、IR事業は行政が行うべきではないなどとしている。
請願書は今後、県議会に上程され、総務委員会で審査される予定とのこと。市民団体は、これまでに5041人の署名が集まったとしている。
IR誘致に反対している団体は、「ギャンブル依存症を増やすおそれ、地域社会や青少年への悪影響そして反社会的な産業で経済の成長を図ろうとすることなどで多くの国民が反対している。カジノ進出は日本人の預貯金を狙ったものであり、外国カジノ資本が儲かるだけということも指摘されている」「自治体が、一時的な雇用創出効果に目を奪われ、多くの人々を不幸にする不健康で退廃的なカジノを率先して誘致するなど到底認めることはできない。それは地方行政が採るべき道ではないと考える」などと公式HP上で主張している。