MGMチャイナの親会社であるMGMリゾーツの最高財務責任者は、サンシティグループのアルヴィン・チャウCEOの逮捕とVIPクラブの閉鎖により、マカオのジャンケット事業の将来が不確かであることは認めたが、この状況がMGMに大きな影響を与えるとは予想していないとのこと。
ジョナサン・ハルクヤード氏は、2日(木)の朝(アジア時間)にモルガン・スタンレーのバーチャル・グローバルコンシューマー&リテールカンファレンスで講演し、先週マカオで起きた出来事に対する見解を尋ねられ以下のように答えた。
「サンシティの運営するVIPルームが我々の所有する施設で運営停止したことをご存じのとおりである。
現実には、[ジャンケット]は[マカオ]市場でかなりの収益を上げていたが、特にここ数ケ月の同市場でのEBITDAはあまり増えていない。
確かにジャンケット事業の範疇に問題を生じさせると思うが、MGMは常にジャンケット事業よりもはるかに利益率が高いマスVIP事業を重視してきた。
多くの人は当社がしばらくの間マスVIP事業に注力している点については賛同すると思う。したがって、サンシティのジャンケット事業の失落がMGMに劇的な影響を与えるとは考えていない」。
同社は公開協議プロセスを経たゲーミング法改正案に対する回答を9月に提出しており、同社にとってより大きな懸念は、マカオのゲーミングコンセッションの今後の再入札プロセスである。政府は、現在のコンセッションが2022年6月26日に満了するまでに再入札を完了することができるかどうかは不明であるが、3月までに公開協議に関する報告書を発表する予定である。必要に応じて、コンセッションは最大5年の延長が法律で認められている。
ハルクヤード氏は次のように述べている。「9月にそのプロセスが開始されたことを嬉しく思う。政府が我々に対応するよう求めていたさまざまな要因に関して自社の情報を提供した。
我々はかなり迅速な審査が行われると考えている。それを来年6月までに終えることが出来るかどうかは不明だが、我々は同社がコンセッションの再入札に際し非常にいい位置に付けていると思う。もちろん我々はこのプロセスを非常に真剣に受け止めているが、楽観的な見通しを持っている」。
同氏は、マカオの長期的な見通しでは同社は引き続き上昇傾向にあるとし、以下のように述べた。
「マカオは、渡航制限施策によって損なわれた市場であり、しばらくはこの状況が続くだろう。我々は回復するだろうと考えてはいるが、どのくらい速く回復するかは現時点ではわからない。
そのどれもがマカオに関連する長期的なチャンスを証明するものだとは思わない。一般的に言って、今後のマカオに関する需要側面は順調に推移するだろう。そこには我々がマカオで2つの大きなビジネスを展開しており、優れた経営陣を擁してはいるが、しばらくの間は困難な道となるだろう」。