メルコリゾーツ&エンターテイメントの復活劇は2021年9月30日までの3カ月で失速し、先日マカオでの新型コロナ感染の発生に起因した国境制限により、同社は2021年の最大の損失に転落した。
メルコの2億3,320万米ドル(約263億円)となったこの純損失は、昨年同四半期の3億3,160万米ドル(約374億円)の損失から回復したものの、今年の第1四半期の2億3,290万米ドル(約263億円)、及び第2四半期の1億8,570万米ドル(約210億円)の損失よりも大きかった。
これに伴い、グループ全体の収益は6月四半期と比較して21.2%減少の4億4,640万米ドル(約504億円)となり、調整後の施設EBITDAは59.6%減少し3,190万米ドル(約37億円)となった。
新型コロナパンデミック前の2019年第3四半期と比較すると、同社収益は14.4億米ドル(約162億円)、調整後EBITDAは4億1,820万米ドル(約473億円)であった。
メルコの会長兼CEOのローレンス・ホー氏は次のように述べた。「マカオとその地域で継続中の渡航禁止令と隔離措置が、弊社の第3四半期の運営および財務実績に悪影響を及ぼした。
現金と流動性を維持するために、弊社は事業費と設備投資の両方に関して強力なコスト管理体制を引き続き実施していく」。
メルコの第3四半期の業績結果には、シティー オブ ドリームス マカオでの営業収益の2億5,200万米ドル(約284億円)が含まれており、そのうちの1億7,700万米ドル(約200億円)はマステーブルによる売上である。また、調整後EBITDAは1,200万米ドル(約13.5億円)であった。
スタジオシティは8,180万米ドル(約92億円)の営業収益を記録し、調整後EBITDA損失は1,400万米ドル(約16億円)であった。一方、アルティラ・マカオの営業収益はわずか1,020万米ドル(約11.5億円)で、調整後EBITDA損失が690万米ドル(約8億円)となった。
フィリピンのシティー オブ ドリームス マニラの営業収益は5,250万米ドル(約59億円)、調整後EBITDAは1,170万米ドル(約13億円)であった。スロットは2,900万米ドル(約33億円)の収益を生み出し、最近の四半期と比較しても主要な成長ストーリーであったが、マステーブルが2,300万米ドル(約26億円)を売上げて収益に貢献した。VIPはわずか200万米ドル(約2億円)であった。
メルコはキプロスで、シティー オブ ドリームス メディテラニアンの施設周辺で3つのサテライトカジノと一時的な施設を運営しているが、そこでの収益は2020年の同時期と同じであったが、21年第2四半期から2,020万米ドル(約23億円)に回復し、360万米ドル(約4.7億円)の調整EBITDAを生み出した。