ゲンティン・シンガポールは、特定の国からの訪問者を対象としたシンガポールの渡航規制緩和が、リゾートワールドセントーサ(RWS)にすぐさま利益をもたらすとは予想していないと述べ、実際には訪問に対して逆結果をもたらす可能性があると警告している。
このコメントは9日(火)の同社の第3四半期決算発表の中で出されたもの。同時に、RWSの収益は前年比16%減、前四半期比9%減となる2億5,150万SGドル(約211億円)であったと発表された。RWSのゲーミング収益は6月四半期から14%減少して1億9,470万SGドル(約163億円)となり、その一方、新型コロナによる最近の新規市中感染の急増を抑えるために導入された安全強化管理措置により、調整後EBITDAは31%減少の1億250万SGドル(約86億円)となった。
シンガポールは今月、以下の国からのワクチン接種済みの旅行者を隔離なしで入国許可をする「ワクチン接種済みトラベルレーン(VTL)」の運用を開始し、国境の完全再開に向け最初の大きな一歩を踏み出した。対象となる12カ国は、英国、米国、オーストラリア、カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、スイス、ブルネイ。
ゲンティン・シンガポールは9日(火)、VTLの実施を「奨励」し、「国境開放に向けた重要な節目」であると述べた。
また、同社は次のように付け加えた。「これらの隔離なしで入国可能となる対象国からの旅行者は、従来の対象市場とは異なるため、短期的には海外からの旅行者数の増加は最小限になると予想している。同時に、海外旅行への潜在的需要により地元住民がこれらの国々へ流出することで、IRの訪問者数に影響を与える可能性がある」。
この発表は、シンガポールと最も近い隣国のマレーシア間のフライトが11月29日から再開されるという今週のニュースには言及していなかった。しかし、業界専門家らはIAGに対し、マレーシアとの国境が再開する際、シンガポールのIRはより大きな利益を享受するだろう。なぜならそれはマスマーケットのほとんどの顧客の従来の入国経路であるからだと述べた。 シンガポールのマスGGRの約25%を、マレーシアの顧客が占めている。
さらに前向きな点として、ゲーミング以外の収益は第3四半期に大幅に回復し、6月四半期から12%増加して5,030万SGドル(約42億円)となった。