ラスベガス・サンズ(LVS)の会長兼CEOであるロブ・ゴールドスタイン氏は、同社が運営するシンガポールの統合型リゾート、マリーナベイ・サンズが2022年に大幅な回復を遂げ、ラスベガスと同様の復活を見せると予想している。
LVSのもう一つのアジアの主要市場であるマカオの回復時期はまだ不透明だが、同氏は10月21日(木)の朝(アジア時間)に行われた21年度第3四半期の決算説明会で、ワクチン接種率の上昇と潜在的な需要に後押しされて、シンガポールが来年に大きく回復すると十分に期待していることをアナリストらに述べた。
「ラスベガスはアジアの復興の青写真だ」と同氏。「ラスベガスでは2024年か2025年にならないと収益が戻らないと言われていたが、ここ2021年の秋には市場が大きく開いている。今後は、需要の高まり、ワクチン接種率の増加、営業再開が期待できる」。
「また、アジアではワクチン接種が進んでいる。シンガポール、マレーシア、日本、中国、韓国は、アメリカの状況をすべて上回っている。つまり、ワクチン接種率が非常に高いだけでなく、政府が営業を再開したがっており、シンガポール政府はそれを証明しているのだ」。
Inside Asian Gamingが報じたように、シンガポールは新型コロナウイルスと共存するための戦略に着手しており、8月にワクチン接種率が80%に達した時点でいくつかの制限を緩和、一部の国からの海外旅行者を受け入れ始めた。しかし、感染者数の増加に伴い、ここ数週間でいくつかの制限が再び導入されているが、それらはワクチン未接種者に限られている。
同氏は、「2022年に大きな転機を迎え、回復が始まると強く確信している」とコメント。
「いつ(マリーナベイ・サンズの)EBITDAが17億米ドル(約1,944億円)に戻るのかはわからないが、政府がリーダーシップと思慮深さを発揮し続ければ、2022年にはかなり良くなるだろう。ワクチン接種率は80%を超え、政府が海外旅行客を受け入れることで、市場回復の準備は整う」。
「ラスベガスの需要はとても参考になる。なぜアジアではそうならないのか? マカオの回復は2025年とも言われている。ラスベガスではドアを開けてから30分ほどで客が入り出した。これはゲーミングの回復であって、コンベンションやバンケットの回復ではない。それはまだ先の話だ」。
「だから、ラスベガスの未来はとても明るいし、シンガポールやマカオもそうならないわけがない。シンガポールは2022年に回復すると確信している」。
一方で、LVSが33億ドル(約3,772億円)を投じて進めるマリーナベイ・サンズの拡張工事は、新型コロナウイルスの影響で遅れている。
LVSの社長兼COOであるパトリック・デュモン氏は、「できるだけ早く着手したいが、今は(シンガポールが)より優先順位の高い他のことに対処しているので、辛抱強く待っているところだ」と述べている。
「当社は政府と長期的な関係を築いており、残りの未解決項目を解決して、営業開始を楽しみにしている。問題はその時期だが、それはその時やオープンに関わる公衆衛生上の必要な対応によって決まるだろう」。