シンガポールの現カジノ及びリモートギャンブル規制当局を一本化する変革が、新型コロナによる影響により遅れをとっていると、カジノ規制庁(CRA)が明らかにした。
当初は2021年初頭までに稼働する予定であったが、内務省は昨年、新しいギャンブル規制庁(GRA)が、国内2つのカジノのマリーナベイ・サンズ・アンド・リゾーツとリゾートワールド・セントーサを監視する現カジノ規制庁(CRA)及び、リモートギャンブルサービスと「フルーツマシン」を規制するギャンブル規制団体が1つの傘下に入ると見ていると発表した。
そのプロセスは現在進行中であるが、CRAは今週発表された2020/2021年次報告書で、パンデミックの影響により現行機関からGRAへの転換が予想以上に時間がかかっているとした。
CRAのTan Tee How長官は、次のように述べている。「パンデミックの間、ほとんどの従業員が在宅勤務であったが、変革への準備作業の多くは集中的な対面の話し合いが必要であった。それゆえ、CRA役員がGRAの準備をするのは容易ではなかった。
それにもかかわらず、新たな労働環境でありながらも役員が頑張って多くのことを成し遂げてくれたことを嬉しく思う。さらに彼らは、カジノ業界に対するCRAによる監督が徹底的かつ強固なままであることを保証するために、休むことなく取り組んでくれた」。
CRA最高執行責任者のTeo Chun Ching氏は、CRAのGRAへの再構成の準備作業において「大幅な進歩」が見られたと付け加え、次のように述べた。
「ギャンブルに関する法律と、既存および新規のギャンブルサービスの両方に対する規制の枠組みを合理化及び統合化のための調査が進行中である。これはギャンブル界全体がリスク調整された総体的なやり方で確実に規制されるようにするためである。
当機関の能力及び作業強化のため、我々はデジタル、プロセス、および労働力の変革の取り組みにも注力してきた。これらの取り組みは、ギャンブルの潜在的な有害性や好ましくない副次的影響からシンガポールの安全を維持するめの作業をより効果的かつ効率的にするために必要である。GRA設立後も、ダイナミックにますます複雑化する運営環境での俊敏さを維持するため、この変革は長期的な道のりが続くだろう」。
CRAの年次報告書によると、新しいGRAが役員向けの新しいトレーニングカリキュラムの追加、新ライセンスシステムの実装、特別従業員のライセンス保有期間を最大3年から7年へ延長するなど、多くの手順を刷新することを明らかとなった。同局は、GRAが「職務やリスクプロファイルなどのさまざまな考慮事項に従って、特別従業員のライセンスをより適切に調整する」ことを可能にするだろうと述べた。
この新組織は、デジタル決済方法などの新たなテクノロジーの促進にも重点的に取り組むつもりだ。
Tan氏は次にように述べている。「同一当局下での規制機能の統合は、規制方針を策定する際に総体的なアプローチを取りつつも、シンガポールが世界のギャンブル業界のトレンドについていくための確実な手助けとなる。
GRAが新しい任務を効果的に果たすためには、トレンドとリスクを予測し、また意思決定におけるリスク管理を定着化させることで、活発な規制当局になるよう努力する必要があります。例えば、これには意味づけ(センスメイキング)やデータ分析能力の強化が必要となる。この目的のために、GRAはギャンブル情勢の詳細な調査と環境調査を実施するためのリソースを提供します。我々は、根拠に基づく政策策定を強化するためには、新しい製品やトレンドを綿密に理解する必要があるだろう。
同時に、GRAは業界のプレイヤーの革新的な慣行を過度に規制し抑圧することを避けるために、リスク調整をしたやり方を採用し続ける。これがリスクの高いサービスを調査する際、我々のリソースを適切に割り当てるのに役立つことになる。その結果、当社の規制管理体制において効果を発揮できるようになる」。