証券会社のサンフォード・C・バーンスタインは、2021年と2022年のマカオのゲーミング予測を下方修正し、ゲーミング粗収益(GGR)が来年は2019年の約59%にとどまり、2023年以降により強い回復を見せると予測している。
10月11日(月)に発表された研究報告書によると、同社のヴィタリー・ウマンスキー氏、ルイス・リー氏、ケルシー・チュー氏は、21年度のマカオのGGRは、2019年のGGRの2,925億パタカ(約4兆1,400億円)の31%程度にとどまり、マスマーケット部門は2029年の27%、VIPは21%にとどまると予測している。
2022年にはGGRが2019年の59%に達し、マスは76%に回復するが、VIPは新型コロナウイルス感染拡大前の31%にとどまり、苦悩することになりそうだ。
2023年にはマスが2019年の115%にまで上昇し、GGRは87%に達するが、VIPは42%と再び抑制される。市場全体のGGRが2019年を上回るのは2025年と予測されている。
これまでの予想よりも回復が遅れている理由は、中国の再開ペースと大きく関係している。同社は、最近マカオで新規感染者が発生した結果、香港との国境が閉鎖されたままとなり、少なくとも2022年の春、場合によっては夏まで中国本土のIVS制度の下でのeVisaは制限されるだろうと警告している。
「マカオの9月のGGRは2019年9月に比べて73%減少し、10月はマカオでの最近の新規感染者の発生によりさらに悪化するだろう」とコメント。
「9月25日から、地元で新たに新規感染者が発生したことで、マカオは中国本土との国境を一時的に閉鎖。これが9月下旬、さらには10月のゴールデンウィークの訪問者数とGGRを大きく乱した。ゴールデンウィークは国境閉鎖により完全に台無しとなり、10月のGGRは2019年比で80%近く減少すると予測しているが、珠海・中国との国境管理措置が予想以上に長引けば、さらに悪化する可能性がある」。
「現時点では、11月~12月にGGRが改善すると予想しているが、香港の閉鎖解除や中国のビザの緩和は来年の春~夏まで期待できない」。
「長期的には、IVSのe-Visaや団体ビザの再開、そして香港旅行の再開がGGRの上昇に必要となるだろう」。
同社は、10月最初の10日間のマカオのGGRが2019年10月の1日平均と比較して85%減となり、期間中のGGR総額は12億5,000万マカオドル(約177億円)、1日あたり1億2,500万マカオドル(約17億7,000万円)にとどまったとも報告した。