佐世保市のハウステンボスにIR(統合型リゾート施設)誘致を目指す長崎県は10月1日、九州・長崎IR設置運営事業予定者であるCASINOS AUSTRIA INTERNATIONAL JAPAN(以下、CAIJ) の提案概要書を公開した。
CAIJの親会社となるCASINOS AUSTRIA INTERNATIONAL(以下、CAI)は、 オーストリア共和国の国有企業。
CAIJは提案の中で、親会社のCAIが現在、オーストリア、ドイツなどヨーロッパを中心にカジノ運営を行っているほか、世界35カ国でカジノと娯楽施設の開設に携わった実績などによるIR事業へのノウハウがあること、国有企業ならではの厳しい審査を受けたクリーンな運営であること、そして、ウィーン少年合唱団やウィーン室内管弦楽団に代表されるような世界最高峰の音楽団体とのコネクションや、 歴史に残るアートコレクションとのコネクションを保有していることなどを同社の強みとして強調している。
「CAI全面バックアップのもと 『安心安全』を大前提として、 万人にとって魅力のある IR施設を構築します。IR区域認定に向けて、長崎県並びに 九州の企業様と一体となり、区域整備計画を作成し、 九州・長崎IRを実現させます」
このように経営理念を掲げる同社は「九州・長崎 IRの実現には、信頼性と継続性が最重要」として、「不正・贈収賄・腐敗を絶対に許さない、有害な影響の排除並びに徹底したコンプライアンス確保に最も重点を置いた、世界最高水準の事業運営の実現に努める」と述べている。
また、ギャンブル等依存症対策や周辺治安維持、防災・防疫、青少年の健全育成などの懸念事項については、「世界各国において養ってきた知見やネットワークを最大限に活かし、世界最高水準の懸念事項対策の実現を目指す」としている。
「九州・長崎の企業様とともに、伝統的で高級感のある世界最高水準のIRを構築し、IRの経済効果を九州全体へと波及させることを目指します」
同社のこのコンセプトのもと、国の認定を目指す長崎IRは、総事業費(開業時)約3,500億円、年間来訪者数は延べ約840万人、それに加えて3万人の雇用創出効果と、約3,200億円の経済波及効果(運営等、九州内)を見込んでいる。
モダンジャパンをコンセプトにした複数の屋内外施設や、オーストリア風デザインによるヨーロッパ流の「大人の社交場」をイメージしたカジノ、高級外資系ホテルなどを売りにして、「幅広い、集客力の高いコンテンツ、データに基づいた訴求により、集客、および長期滞在を促します」とCAIJは述べている。
県とCAIJは、今月1日から開始され、来年4月までが期限となっている「国への申請」をとりまとめ、国による区域認定を目指す。