IR(カジノを含む統合型リゾート施設)の誘致を目指す和歌山県は15日、区域整備計画原案を11月末までに作成、来年2月の県議会定例会で議決を求める方針を明らかにした。15日の定例会で、堀龍雄県議(自民党県議団)の質問に、田嶋久嗣(ひさつぐ)IR担当理事が答えた。
15日の県議会定例会の中で、堀県議は「IR誘致は滞在型観光の核として、和歌山県の観光振興や雇用などに貢献し、地域活性化の起爆剤となると思う。その上、人口減少の抑制にも大きく期待できる。新型コロナ収束後、和歌山県の経済回復のエンジンとなることから、我々自民党は以前より誘致を全面的に支援してきた。県においては7月20日に優先権者決定、8月25日には基本協定を締結するなど、着実に進めていることを心強く思っている」と述べた上で、クレアベストニームベンチャーズ株式会社及びClairvest Group Inc.のコンソーシアム(以下、クレアベスト)と県との間で締結した基本協定の具体的な内容の説明を求めた。
田島理事は「基本協定は、(国による区域認定後に)実施協定を締結するまでの間、県と事業者双方の役割などと諸手続きを規定している。具体的には県と事業者が共同して行う区域整備計画の作成及び認定申請に関する事項や、事業者の費用負担、履行保証金等に関する事項、IR事業者や株主の廉潔性確認に関する事項、事業者の責めに帰すべき理由で実施協定が不成立になった場合の違約金に関する事項などである」と説明。
今後のスケジュールについて堀県議から問われると、田島理事は「現在、クレアベストと共同して区域整備計画に全力で取り組んでいるところ。IR整備法上、区域整備計画には住民の意見を反映させなければならない」と述べ、「来年4月の(国への申請)期限に間に合わせるためには、11月末には区域整備計画の原案を完成させ、パブリックコメントを実施、来年2月には和歌山市及び県公安委員会の同意を得た上で、県議会に区域整備計画の議案を提示し議決をいただく想定でスケジュールを組んでいる」と答えた。
続けて、堀県議から「改めて、区域認定に向けた意気込みを知事から」と求められると、仁坂知事は「栄えている横浜などではIRをやめても繁栄が続くと思っている人は多いのだろうと思う」と述べ、「ただ、和歌山はなかなかこういう大規模な投資案件は他には考えられない。頑張って(IR誘致を)進めなければならない」と意気込みを語った。