メイバンク・キム・エンは、IR反対派の山中竹春氏が横浜市長選に当選したことを受けて、23日(月)にゲンティン・シンガポールを「買い」から「ホールド」に格下げし、目標価格を26%引き下げた。
山中氏は、横浜市長選候補8人の中でIR反対について最も声高に発信していた。カジノを「毒リンゴ」と表現し、新市長に選ばれた場合は早期にIR誘致を辞めると宣言していた。
48歳の同氏が得票率33.59%を獲得し、小此木八郎氏が21.62%、現職の林文子氏が13.06%という状況から見て、今回のシナリオは避けられないように見える。
23日(月)、メイバンクのサミュエル・イン・シャオ・ヤン氏は、横浜IRにより以前割り当てられていた1株0.30シンガポールドル(約24円)の目標価格を削除し、目標価格を1.16シンガポールドル(約94円)から0.86シンガポールドル(約69円)へと引き下げた。同氏はまた、株式を「買い」から「ホールド」に格下げしたが、ザ・ストレーツ・タイムズは、横浜からのニュースにより株式が大量に取引されたと報じている。
メルコリゾーツ&エンターティメントと並んで横浜IR事業者候補の2者のうち1者であるゲンティン・シンガポールのコンソーシアムは、横浜IRの事業者選定が進んでいった場合、選定については優勢と言われていた。
「ゲンティン・シンガポールとセガサミーのコンソーシアムは、横浜IRライセンスを獲得するには最強の立場であると我々はまだ考えているが、現時点では机上の空論のようだ」と同氏は述べている。
同氏は続けて「いずれにせよ、ゲンティン・シンガポールに関する以前の推奨は戦術的に”買い”であった。我々の見解では、市場は横浜IRによって上向きになる可能性を押し付けられてなかった為、下落リスクはほとんどなかった。
横浜市長選が終わったことを受けて、ゲンティン・シンガポールを”ホールド”に格下げする」と話している。
野村は、ゲンティン・シンガポールの「買い」を継続しているが、横浜IRのポテンシャルによる目標価格の0.14シンガポールドル(約11円)から0.34シンガポールドル(約27円)の上昇は織り込んでいないとしている。
野村のアナリストであるトゥーシャー・モハタ氏とアルパ・アガワル氏は、「シンガポールが新しい生活様式(ニューノーマル)へと移行し、更なる入境規制が再開されるにつれ、徐々に観光事業が回復するという動きにより、ゲンティン・シンガポールの「買い」評価を繰り返すだろう」と語っている。