オーストラリアで競馬と賭博の大手企業であるタブコープは、宝くじおよびキノ事業での記録的な成果と、賭けとメディア事業での実績向上により、2021年6月30日までの1年間で黒字に回復した。
タブコープは2020年度に8.7億豪ドル(約690.8億円)の損失を計上したが、2021年には2億6,900万豪ドル(約213.5億円)の利益を記録し、グループ全体の収益は8.8%増の56.9億豪ドル(約4,518億円)、EBITDAは11.3%増の11.1億豪ドル(約881億円)となった。
8月18日(水)未明に発表された財務諸表によると、宝くじとキノ事業の収益は9.9%増の32.1億豪ドル(約2,549億円)となった。これには、27%増加となったデジタル宝くじの売上高も含まれている。同社によると、デジタル宝くじは年間の宝くじ総売上高の32.8%を占めているという。
タブコープ社の競馬メディア事業を取り込んだ賭けとメディア事業の収益は、10.3%増の23億豪ドル(約1,826億円)となった。これには、売上高が16.8%増加し、デジタル賭博の売上高が27%増加したことが含まれている。
ゲーミングサービスは、売上高が17.2%減の1億8,300万豪ドル(約145億円)となった、前年比で減少した唯一の事業であった。上記事業は、とりあけビクトリア州の認可施設における収容率の上限措置と封鎖により、年間を通じて大きな影響を受けた。
タブコープの専務取締役兼CEOのデイビッド・アッテンボロー氏は以下のように述べている。「新型コロナのパンデミックによる大きな課題に直面して、当社の事業は好調な営業成績と2桁の利益成長を実現した。
当社チームとビジネスパートナーは、変化する制限措置に対応するために協力して取り組み、オムニチャネルビジネスモデルによって当社顧客がギャンブルのエンターテインメント体験を引き続き楽しむことを可能にした」。
タブコープは、21年度の1株当たり7.0セントの最終配当を発表している。