マカオでは、1年以上ぶりに新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受け、この1週間で1日あたりのゲーミング粗収益(GGR)が9月以来の低水準となった。
証券会社バーンスタインのウィークリーアップデートによると、8月1日から8日までの8日間のGGRは1億2,500万パタカ(約17億2,000万円)で、7月の2億7,200万パタカ(約37億4,300万円)と比較して51%、2019年8月の7億8,300万パタカ(約108億円)と比較して84%減少。
VIPセグメントの1日平均ボリュームは、7月と比較して約40%減、1日のマスGGRは50%強減となった。
同社のアナリストであるヴィタリー・ウマンスキー氏、ルイス・リー氏、ケルシー・チュー氏は、「1日あたりのGGRは9月下旬以来の低さ」だと述べ、最終的にマカオの事例につながった南京での感染者の発生により、中国本土全体で不要な旅行を減らす動きがあるのを指摘した。現在、中国の17の省から南京に関連した感染者が報告されている。
「マカオは現在、中国の13省30都市以上の地域からの旅行者に強制検疫を課している」。
「8月1日から7日までの間、マカオへの1日の訪問者数と出国者数の平均は23,000人にとどまり、前週比で-60%、7月の1日平均より54%減少した」。
同社は、新型コロナの現状が近い将来にほとんどの訪問者を抑制するだろうと指摘し、8月のGGRを再び下方修正した。その結果、GGRは2019年8月と比較して70%ポイント後半の減少となり、市場が徐々に回復する9月も軟調に推移する可能性が高いと推定している。
「GGRは第4四半期から改善すると見込んでいるが、更なる渡航規制の撤廃は来年まで見込めない」とアナリストらは述べている。