ラスベガス・サンズはシンガポールの統合型リゾート、マリーナベイ・サンズの45億SGドル(約3,630億円)の拡張工事が、完了期限の2025年に間に合うかどうかは未確定としている。
同社の社長兼COOパトリック・デュモン氏は、21年第2四半期決算発表後の7月22日(木)に決算説明会でアナリストに向けて、新型コロナウイルスの感染拡大により、2021年のほとんどの期間で同社敷地内の一部の工事が進まず、長期的な遅延が発生していると述べた。
この大規模なプロジェクトでは、スカイプールやシグネチャーレストランを含む「ルーフトップアトラクション」を備えた4つ目のホテルタワー、会議室、ファンクションルーム、展示ホールからなるMICE施設、さらには少なくとも15,000人を収容できる最先端のライブエンターテインメントアリーナを開発する予定。
同氏は、現在のオープン予定への変更を明言しなかったものの、「実際の工事完了のタイミングについては、かなり不確実」と述べている。
「このプロジェクトの初期段階では、特定の政府機関と協力し、彼らの承認を得て、プロジェクトの一部として我々の義務と彼らの要望を確実に果たす必要がある」と、同氏はコメント。
「8エーカーの非常に狭い敷地には多くの計画が密集しており、適切なものにするためには、現在の環境に統合させる必要がある」。
「それらのいくつかを解決すべく始めているが、実際問題として、このような複雑で大規模な建設プロジェクトは、通常の環境では常に困難を伴うもの。したがって、達成可能なスケジュールを述べる前に、慎重になり、労働力やスケジュールに関する様々な限度を理解するようにしている」。
「今後数ヶ月間の新型コロナの回復にかかっている部分が多い」。
同社は2019年4月に、15億SGドル(約1,210億円)の一括払いを含む政府との合意に達し、初めて拡張計画を発表。
その見返りとして、同社は追加で1,000台のゲーミングマシンを設置して合計3,500台にし、ホテルタワー1の55階全体でカジノフロアをより広げ、必要に応じてさらに2,000平方メートルのカジノゲーミングエリアを取得するという条項が認められる。
同社はこれまで、2025年までの開業を目指していたが、開発完了の期限は2027年4月に設定された。同じ統合型リゾートのゲンティン・シンガポールは、リゾートワールド・セントーサの拡張プロジェクトの遅れを指摘しており、新型コロナの影響を考えると、このスケジュールは大掛かりに見える。