最近サイエンティフィック・ゲームズのアジア地域セールスディレクタ ーに昇進したトレバー・ロス氏にInside Asian Gamingが話を聞いた。
ベン・ブラシュク:アジア地域セールスディレクターへのご就任、おめでとうございます。日々の業務の中での変化は?
トレバー・ロス:ありがとうございます。SGの「ワンストップショップ」の一環として、ゴアからバヌアツ、そして北はティモールからウラジオストクまで、この地方のスロットとテーブル商品のセールスチームを率いることになりました。
今重視しているのは、戦略的に計画して、物事をより大きく捉え、そして今後の未来を見据えるということです。セールスチームに関しては、コーチングとチームのスキル開発に力を入れています。
BB:業界関係者は知っている人も多いと思いますが、あなたのことを知らない読者に向けて、この業界でのこれまでの経歴と何をもってこの役割に貢献できるかについて少しお話しいただけますか?
TR:端的に話すよう努力しますが、話せば長くなりそうです。業界に入ったのは、多くの人と同様、1988年のアリストクラートへの入社がきっかけでした。クラウン・メルボルンで社内サービスチームを管理していました。過去10年ほどは、そこの営業部に在籍していました。顧客はオーストラリア最大手の事業者のいくつかでした。
何をもって貢献できるのか?人脈と経験ですね。このビジネスは人、そして固有のニーズにソリューションを適応できるということが基本になります。
BB:サイエンティフィック・ゲームズでマカオに戻ってきて3年になられます。その期間中の会社そして市場に関する重要ポイントとはどんなものでしたか?
TR:大きなものがスロット市場のシェアの変化です。現在マカオでは、スロットメーカー2者が競い合っており、SGのDuo Fu Duo Cai(多福多財)とJin Ji Bao Xi(金吉報喜)が先頭を走っています。
そうは言っても我々は現在の栄光に満足することなく、ナンバー1の座を維持するため、狙いを定めたライフル・アプローチを取っています。
BB:マカオに初めて移住してからは15年になられますね。その間のマーケットの変化はどのように見ていますか?
TR:この業界は確実に大きくなりましたし、半島からストリップへと重力の変移が起こっています。
しかし、よりミクロのレベルでは、昔は今よりも幅広い種類のテーブルゲームがありましたが、テーブル台数の上限によって種類が少なくなりました。それとともに、エントリーベットがはるかに高くなっています。
BB:新型コロナ、そして法域ごとに異なる回復状況であることを考えると、この地方にとって興味深い時代に、新しい役職に就かれました。このような状況下で、どのように市場開発の取り組みを実行に移しているのですか?
TR:その通りです。アジアのそれぞれの場所でビジネスの回復度合いが異なります。事業者の設備投資は限られていますので、基本的ニーズ、すなわちリスクが低く、パフォーマンスは高く、ROIが優れているものを届けています。
BB:商品発売に関してお伺いします。通常どおりでしょうか、それともパンデミックが原因で、特定の商品の発売延期を検討する必要はありますか?
TR:世界展開する企業として、当社ビジネスへの新型コロナの影響というのは、それら地域の問題とほぼ一致しています。一部地域は開いていますが、別の場所はロックダウン中といった形です。.
当社にはバーチャルチームがありましたので、新スロットマシン『Kascada』の発売準備に取り組み、現在は米国で発売されています。8月のAGEでオーストラリアが続く予定です。
アジアではビジネスの回復に全員が備えています。他の市場においてかなり好調な回復状況を目にしてきました。テーブルとスロットの両方の新商品の準備をしていく予定です。
BB:新型コロナ以降、プレイヤー行動は変化しましたか?
TR:カジノプレイヤーだけではなく、全体的に消費者行動は変化したと思います。
ライブ体験は当社商品の一部ですので、プレイヤーは実店舗のカジノに戻って来るでしょう。中期的には確実に、安全、そして旅行ができる状況にあるというものがプレイヤー層を形成するでしょう。しかし、SARS後と同じように、時間の経過とともに物事はニューノーマルへと戻ります。
BB:将来、伝統的なテーブルゲームに対して、電子ゲーミング機(ETGs)の役割はどのようなものになると思いますか?
TR:ETGsは成長フェーズにあり、オンラインプレイから戻ってくるプレイヤーが後押しするでしょう。
ゲームのテクノロジーとセキュリティのおかげで、標準的なテ ーブルゲームに、サイドベットの強化による優れた仕掛けや、単にライブテーブルでは出来なかったであろう仕掛けを加えることができます。
例えば、間もなく、ベットした数字の最大500倍というランダム倍率によるボラティリティをプレイヤーが選択できるルーレットゲームをリリースする予定です。
ETGsがライブのテーブルまたはスロットに取って代わることはないでしょうが、これら両方はどんどん増えていくでしょう。
BB:マカオ唯一のスポーツくじプロバイダーが最近独占営業権を失いました。米国ではこの分野の成長に積極的に関わってきた企業として、マカオで何らかの機会が生じる可能性があればどどうしますか?
TR:当社はスポーツくじ大手にサービスを届けてきましたし、積極的に動いているのは米国だけではありません。何十年にもわたって世界中でスポーツくじに関わってきました。当社の製品『Openbet』はスポーツくじ分野のマーケットリーダーです。
マカオでは、これに関してすでに複数のコンセッション保有者から問い合わせを受けています。
彼らにとって、これはまた別の収益源、差別化のポイントになる可能性がありますし、マカオ市場で目の当たりにしている変化によって、事業者にとってはこれが余剰のフロアスペースを本当の意味でうまく利用して、その場所に人を呼び込むチャンスにもなります。もちろん、規制機関からの承認が必要ですが。
BB:最後に、貴社のようなサプライヤーは、過去16カ月間程の間に、デジタルで顧客と話すことに慣れてきました。新型コロナが収まってもこれが続くと思いますか?それとも、以前のように対面による顧客との交流が戻ってくると思いますか?
TR:我々全員がビデオ会議に順応し、精通しなければなりませんでした。ですので、はい、今後も当社のツールキットの一部には残っていくでしょう。
しかし、渡航制限が解除されれば、我々は以前の状態に戻ることを願っています。実際にカジノを訪れ、顧客のビジネスについて最大限学び、そして正しいアドバイスと最善の商品をお届けするということに取って代わるものはありません。