IR誘致の是非が大きな争点になっている横浜市長選挙は8月8日に告示され、22日に投開票が実施される。以下は現在の出馬予定者。
小此木八郎氏(55) IR誘致反対。現職衆院議員(自民党)、国家公安委員長、内閣府特命担当大臣(防災・海洋政策)、国土強靭化・領土問題担当大臣。閣僚の職を辞し市長選に。無所属で出馬の見込み。IRを推進する自民党の現職の閣僚から、しかもIR誘致反対を訴えたことで世間を驚かせている。会見では「依存症が心配だ、治安が心配だ、あるいは賭け事をやって負けたお金を街づくりに使うとは何事だという声があった」と述べ、IR誘致計画を取りやめる考えを示している。
山中竹春氏(48)IR誘致反対。横浜市立大学教授。立憲民主党の推薦を受けて無所属で立候補する。会見では「カジノによって依存症が増え、治安が乱れ、教育環境が悪くなるのはデータによって明らか。IRの誘致には断固反対で、即時撤回する」と述べた。
福田峰之氏(57) IR誘致賛成。元衆院議員・内閣府副大臣。無所属での出馬予定。IR誘致に関して当初は「事業計画を見て判断したい」と、「ニュートラル」なスタンスを強調していたが、有権者から「立ち位置がわからない」との声を受け、改めて誘致賛成を表明。「将来的に人口が減少していく横浜市の財源を確保していく一つの方法論としてIRがある」と会見で述べた。
太田正孝氏(75)IR誘致反対。現職の横浜市議会議員(立憲民主党).で、市長選には無所属で出馬予定。ことし1月の記者会見では「私が横浜市長になったら即日カジノはなくなります。簡単に言えばカジノはやらないです」と述べている。IAGの取材には「IRが儲かるというのはわかっている。だが、カジノには反対だ」と断固たる姿勢を示した。
藤村晃子氏(48)IR誘致反対。動物保護団体代表理事。無所属での出馬予定。IR誘致の即時撤回、動物虐待を専門に取り締まる「アニマルポリス」の設置、中国人が中国共産党から離脱するための相談窓口を横浜市に設置することなどを公約に掲げている。
現職市長の林文子氏(75)は、4選目に意欲を示しているとの報道もあるが、公式には態度を明らかにしていない。前々期、前期と同氏を推薦してきた自民党は、党の内規で公認や推薦を出すのは「連続3期まで」と定めていることや、林氏が高齢であり健康面に不安があることなどから、同氏を支援できないとしている。
現在横浜市ではIR事業予定者の公募が行われており、2事業者にまで絞られている。1者は、シンガポールに拠点を置く「ゲンティン・シンガポール」と、国内ゲーム・パチンコメーカー大手の「セガサミーホールディングス」などからなるコンソーシアム。もう1者は、中国のマカオを中心に事業を展開している「メルコリゾーツ&エンターテインメント」と見られている。市は8月にも最終的な1者を選出するとしている。