マカオを拠点とするゲーミング事業者マカオ・レジェンド・デベロップメントは、2018年の購入契約の決着がつかなかったため、カンボジア・シェムリアップ州にある1,200ヘクタールの土地の所有者と円満な解決策を模索しているという。
のちに一定の期限が2回延長された契約条件では、両者は2021年6月26日(土)までに所有権の譲渡を完了することになっていたが、同社は28日(月)の報告では、譲渡を完了できず、「現在、土地所有者と円満な解決策を模索している」と述べた。
同社は当初、ハウイング・エンタープライズの株式100%を取得することで、この土地を購入する意向を表明。9,000万米ドル(約100億円)の取引から、ハウイングおよび統合型リゾートの開発に使用予定の複数の土地、合計1,200ヘクタールを取得する予定だった。
しかし、当初の契約書には、同社が土地所有者に課した条件として、当該の土地は「自由保有権の土地であり、一切の負債がなく、原住民などの村人や不法占拠者、学校や学生がいないこと、紛争がないこと、土地の外部抵当権、質権、保証がないこと」が含まれていた。また、当該の土地は1つの完全な区画で隣接していなければならず、関連書類を提出する必要もあった。
同社は2020年6月、新型コロナウイルスの感染拡大によって、必要な書類の入手過程に支障が生じたと述べている。
また、同州にゲーミング施設を備えた統合型リゾートを開発する予定だが、その実現可能性についても疑問が持たれている。同社の元常務取締役シェルドン・トレーナー氏は2019年にIAGに対し、「同地への関心を初めて表明した時、シェムリアップにはゲーミングがないと言った人がいた。しかしアンコールワットから50kmの位置にある。」
「シェムリアップの観光業は全体的に好調だと思う。その計画をカジノ無しで進めることができる。もしカジノがあるなら、それもいい。しかし他の場所でも施設を手に入れることができるだろう。」
ナガコープも同州で、3億5千万米ドル(約387億円)の非ゲーミングリゾート開発計画を発表したが、世界遺産のアンコールワットに近接していることにユネスコが懸念を示したため、今年初めにカンボジア文化芸術省によって却下された。