ゲーミング業界のアナリストは、マカオー香港間の渡航規制緩和が以前の予想よりも遅れるという今週のニュースを受けて、2021年度のマカオのゲーミング収益予想を下方修正した。
Inside Asian Gamingが報告したように、マカオ政府は月曜日に、香港国内の新型コロナウィルス新規感染者症例が28日間連続で報告されなかった場合に(現在17日間新規感染者なし)、制限を緩和することに合意した。
28日間の規定は、マカオが以前香港からの渡航者に課していた強制検疫要件を削除するために提案した14日間の倍の日数であるが、そうした中でも香港居住者への規制は段階的に解除されると思われる。初期段階として、現在人口の約18.8%を占めるワクチンを完全接種した香港居住者のみが規制緩和されるクオータ制が含まれている。
JPモルガンのDSキム氏、デレク・チェ氏、リビー・リュウ氏は6月22日(火)発表の文書で、以下のように述べた。「どういうわけか、トラベルバブル計画の規模が(少なくとも最初は)抑えられているように思えることと、開始のタイミングが予想よりも遅いことに少し落胆した。
これにより、7月場合によっては8月にGGRが大幅に上昇する可能性は低くなり、我々の夏休みへの期待感は低くなっている。」
アナリストは、今年第3四半期のGGR予想を2019年の50%から43%に、第4四半期を昨年同時期の66%から58%に下方修正した。JPモルガンによる2021年度のGGR予想は、5%下方修正し、2019年度水準の43%とした。
クレディ・スイスのアナリスト、ケネス・フォン氏(Kenneth Fong)とロック・カン・チャン氏もまた、2021年のGGR予想を46%から2019年水準の40%に下方修正した。
両者は、「2月と6月に中国の地方で新型コロナが発生したことからも明らかなように、復活への道のりは予想以上に遅くなる可能性がある。
香港との国境再開の可能性によるメリットも、GGRの約10%〜15%では意味がなく、規制によって上振れが出来ない。」と記している。
JPモルガンは、香港は伝統的にマカオと本土間を旅行する際の重要な経路であり、多くのプレイヤーが香港とマカオ行きの旅行をひとまとめにしていると説明した。
また同社は以下のように述べた。「多くのプレミアムマスプレイヤーは、香港の銀行や保険口座からの資金をギャンブル資金としている為、我々は、それら全部込みで香港(香港人と香港経由で来る中国人)が、コロナ前のマスセグメントのGGRの20%以上を占めるだろうという推測をしている。ゆえに、我々の見解では、本格的な往来再開が、需要のランレートに段階的な変化をもたらす可能性があるとしている。」