ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、カンボジアの統合型リゾートのナガワールドでカジノ事業の営業停止が続いているため、ナガコープは2021年に2020年よりも弱体化し、収益が2019年の約40%にしか達しない見通しだ。
ムーディーズは6月8日(火)に、同社の系列企業格付けを「B1」、同社が発行する2億米ドル(219約億円)の社債の無担保上位格付けをネガティブな見通しの「B1」と評価。
ムーディーズ副社長兼上級審査役であるジャシンタ・ポー氏によると、今回の追加債は、「カジノ事業が営業を停止したままでも、今後18~24ヶ月間の資金繰りに必要な流動性を十分に確保できる」とのこと。
しかし、「このネガティブな見通しは、同社の収益と信用指標が2021年も弱いままで、回復の程度とペースが今のところ不確実であるという予想を反映している」。
ムーディーズは、同社の2019年と2020年の収益とEBITDAの95%をゲーミング収益が占めていることに触れ、2021年の収益は2020年よりも弱くなると予想し、「これは、前年のように現在の営業停止期間が3ヶ月半を超えないとしても、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年の収益の約40%に相当する。2020年第1四半期の営業成績が感染拡大の影響を大きく受けなかったためだ」と述べた。
「感染拡大により、同社の業績回復は2022年まで遅れる可能性が高いものの、営業費用、利息の支払い、資本的支出を含むキャッシュバーンに耐えられるだけの十分な流動性を有していると予想している。また、ロシア・ウラジオストクの統合型カジノとホテル複合施設や、カンボジア・プノンペンの統合型カジノとホテル複合施設(ナガ 3)の建設のための計画的な支出を、財務的な代償なしに延期できる」。
同社は今週、ランレート運営費を2021年3月1日の営業停止前の約860万米ドル(約9億4,300万円)から660万米ドル(約7億2,400万円)に削減するとした毎月最大200万米ドル(約2億1,900万円)の節約の一環として、人員削減を進めていることを認めた。