サウスショア・ホールディングスは、2021年3月31日に終了する会計年度において、9億5,000万香港ドル(約133億円)の損失を見込んでおり、12ヶ月前に記録した同様の10億2,000万香港ドル(約143億円)の損失に加えて、業績下方修正を発表した。
今回の修正は、同社が内部情報に関する発表を待つため、木曜日の午前9時に取引停止を要請した数時間後に発表された。
同社の取引停止は、今週初めの取締役3名と秘書役の辞任に続くもので、同社が近年直面してきた数々の苦境(主にマカオのホテルTHE 13の未完成に起因)がまたしても増えた形だ。
世界で最も豪華なホテルを目指して計画されたTHE 13は、財政問題に悩まされており、同社は買い手を探していた。しかし、7億5,000万香港ドル(約105億円)で50%の株式を売却するという交渉が昨年破談となり、2021年3月31日までに完全に売却すると自ら掲げた期限を守れなかった。
同社は、ホテル資産の評価を行う上で特定の不確実性の影響を定量化することが困難だったこともあり、同社の公式監査人が財務状況について意見の否認声明を発表した後、監査修正を回避するには会計年度末までの売却が必要だったことを2020年10月に明らかにした。これらの不確実性には、新型コロナウイルスの影響のほか、部分的にしか稼働していない同ホテルの過去の実績がないことや、比較対象となる他のホテルがないことなどが含まれる。
監査修正が提案されたのは、サウスショアが以前に利用した独立監査人の調査結果と、監査人の否認意見が異なっていたため。監査人は、THE 13を41億香港ドル(約575億円)と評価した。なお、この評価額には、ホテル不動産、使用権資産、有形固定資産、工場および設備などのホテル事業の資産生成単位が含まれる。
10月にはまた、THE 13に対する担保権の行使と会社の流動性を防ぐため、2020年4月に停止の申請を余儀なくされた後、銀行と頻繁に話し合いを続けていると述べている。同行はその前の週に、ファシリティ契約に基づく24億8,000万香港ドル(約348億円)の即時支払い要求を出していた。