各国でスポーツギャンブルの合法化が進む中、中日スポーツが4月28日、英紙フィナンシャル・タイムズ発のニュースとして興味深い話題を取り上げている。
それによると日本政府がJリーグとプロ野球へのスポーツベッティング(賭け)を2024年にも合法化するため、検討を行っているというもの。合法化された場合、サッカーと野球を合わせて、年間推定650億ドル(約7兆1500億円)以上というとてつもない規模のスポーツベッティング市場が生まれる。
同紙によると、政府内では長年、スポーツベッティングに対する抵抗感は強かったが、コロナ禍によるプロスポーツ界への影響が大きいことから、容認する機運が高まっているという。
同紙は競馬、競輪、ボートレース、オートレースが賭けの対象として認められているなど、日本国内のギャンブルの状況についても詳しく報じた。近年はスマホのアプリの普及で利用者は増加。4つの公営競技の「賭け金」の合計額は年間約6兆円に上るという。
また日本で最も一般的なギャンブルはパチンコであること。近年の年間売上高は減少する傾向にあるが、それでも年間約20兆円に上ることも伝えた。
さらに海外のオンラインギャンブルの幹部の話として、多くの日本人が海外発行のクレジットカードを使って、海外のサイトでスポーツやオンラインカジノなど違法な賭けを行っている実情や、それらが年間4兆円規模に及ぶことなどを伝えた。
こうした現状を踏まえ「いつ実現するか言及するには早すぎるが、スポーツ界に昨年起こったことは、政府を大きく前進させた」と関係者の話を伝えた。
スポーツベッティングは、日本で2001年からJリーグの試合結果を対象に全国発売されたスポーツ振興くじ(トト)とは大きく異なる。トトは複数の試合結果などを的中させる「くじ」の要素が高い。
スポーツベッティングは1試合もしくは複数の試合結果や得点者などを的中させるもの。イエローカードの数やフリーキックの数を当てるものもある。かつては試合開始前に全ての賭けを終えるのが一般的だったが、現在は試合中に点差や試合展開によって、刻々と変化するオッズを見ながら賭ける「インプレーベッティング」「ライブベッティング」が主流になり、欧米では市場を一気に拡大している。