一般社団法人「日本IR協会」が主催し、21日から2日間にわたってオンラインで開催された「JAPAN IR FORUM」は各分野の専門家がマカオ、オーストラリア、アメリカなど国内外から参加。コロナ後の来るべき日本版IRの開業に向けて様々な角度からアプローチし、有意義な提言や議論を展開した。
20項目に及ぶテーマの中で、とりわけ関心度が高かったのが4月2日に公表されたカジノ管理委員会施行規則(案)パブリックコメントを受けての対談。弁護士の石川耕治氏の問いかけに特定非営利法人ゲーミング法制協議会理事長の美原融氏が答える形で進み、課題や矛盾点を浮き彫りにさせていった。
美原氏は215条に及ぶ膨大な規則(案)に「30回審議したというが、民間との対話が欠如しており、前時代的でナンセンス。内容も不親切、説明不足、矛盾点もある」とバッサリ。あらためて対話の必要性を説いた。
欠陥部分として、チップの持ち出し禁止の項目にふれ「事業者に監視して見張れというが、少額チップをいちいちチェックするのは不可能」と指摘。返す刀でポーカートーナメントのやり方に「これではカジノ側に儲けが出ない。現場を見ていない、知らないんでしょう」と切り捨てた。
さらにカジノフロアで認められるゲームに関してバカラ(2分類)、トゥエンティワン(4分類)など9種21分類のルールを事細かく書いていることに「まるでディーラーのマニュアル。ガチガチのルールをつくると後で大変だ。競争力を失いかねない」と警鐘を鳴らした。
また、背面調査や会計処理などでも持論を展開。「施行規則案は法律でも政令でもないし、未来永劫ではない。修正、改訂も可能」と話した。
この声はカジノ管理委員会に届くのだろうか。