米国のカジノ大手ラスベガス・サンズ(以下LVS)のマカオ子会社であるサンズ・チャイナは、2021年3月31日までの3ヶ月間に2億1,300万米ドル(約230億円)の純損失を計上したが、好調を維持し、2四半期連続で収益増を記録している。
また、シンガポールのマリーナベイ・サンズでも良い兆候が見られ、調整後のプロパティEBITDAがプラスとなった。
サンズ・チャイナが21年第1四半期に計上した2億1,300万米ドル(約230億円)の純損失は、20年第4四半期の2億4,600万米ドル(約266億円)と同年第3四半期の5億6,200万米ドル(約607億円)から縮小。同様に、売上高は前年同期比では4.6%減の7億7,100万米ドル(約833億円)となったが、前四半期比では6億7,200万米ドル(約726億円)から14.7%増加し、20年第3四半期の1億6,700万米ドル(約180億円)から増加傾向にある。
ザ・ベネチアン・マカオ、ザ・パリジャン・マカオ、ザ・ロンドナー・マカオ、ザ・プラザ、フォーシーズンズ、サンズ・マカオで構成されるマカオ事業は、調整後のプロパティEBITDAが20年第4四半期の6,700万米ドル(約72億4,000万円)に対し、1億米ドル(約108億円)を記録した。
特筆すべきは、ザ・ベネチアン・マカオ(3億4,000万米ドル、約367億円)とマカオのザ・プラザおよびフォーシーズンズ(1億7,000万米ドル、約184億円)の両方で前年比増となり、全プロパティで20年最終月と比較して収益増となったことである。
LVSが直接運営しているマリーナベイ・サンズでは、純売上高が前年同期比30.4%減の4億2,600万米ドル(約460億円)、カジノ売上高が3億300万米ドル(約327億円)となった。これらの数字は、20年第4四半期の純売上高3億4,500万米ドル(約373億円)およびカジノ売上高2億2,900万米ドル(約247億円)から改善しており、調整後のプロパティEBITDAは1億4,400万米ドル(約156億円)で、第4四半期と比べ105.7%増加した。
同社の会長兼CEOロバート・ゴールドスタイン氏は、「マカオ、シンガポール、ラスベガスへの旅行者数の増加に伴い、より多くの顧客を当社ホテルに迎えられ、大変嬉しく思う」とコメント。
「当社の各ホテルに対する来訪客の需要は引き続き堅調だが、特にマカオとシンガポールでは新型コロナウイルスの感染拡大に起因する渡航制限が続いており、来訪客の減少で現在の業績に支障をきたしている。しかしながら、当社は各市場における旅行・観光支出が最終的に回復すると確信している」。
サンズ・チャイナの親会社であるLVSは、第1四半期の売上高が前年同期比15.6%減の12億米ドル(約1300億円)となり、2億8,000万米ドル(約302億円)の純損失を計上した。