クラウン・リゾーツは、米国のグローバル資産管理合資組合オークツリー・キャピタル・マネジメントの代表者から、ジェームス・パッカー氏が現在保有するクラウンの株式を最大30億豪ドル(約2,520億円)で購入する提案を受けたと月曜日朝に発表した。
豪カジノ大手クラウン・リゾーツがASXに報告したところによると、未承諾かつ暫定的で拘束力のないこの素案は、オークツリーが最大30億豪ドル(約2,520億円)分の証券化商品をクラウンに提供し、その収益をパッカー氏所有のコンソリデーテッド・プレス・ホールディングス(以下CPH)が保有するクラウン株式の一部または全部の買い戻しに使用するというもの。
CPHは現在、クラウンの株式の36.8%を所有する唯一の大株主である。
クラウンはこの提案のメリットについて、取締役会が見解をまだ示しておらず、CPHの株式を買い戻すとなると、CPH自体による投票なしで株主の承認が必要であると、同報告書内で述べている。
この提案は、CPHがニューサウスウェールズ州独立酒類・ゲーミング局(ILGA)との間で、クラウンの日常業務から事実上距離を置くことに合意した数日後に公表された。
今回の合意は、クラウンがニューサウスウェールズ州でカジノライセンス保有の適合性を再取得するための長い道のりの中で、重要なステップに位置付けられている。なお、同社が同州で22億豪ドル(約185億円)を投じて開発したクラウン・シドニーのカジノは、未だ開業に至っていない。
パトリシア・バーギン委員長は最近のバーギンレポートで、CPHおよびパッカー氏がクラウンの取締役会に与える影響力こそ、同社が同州のカジノライセンス保有に適さないとの勧告を行なった主な理由の一つであると説明している。
バーギン委員長は、パッカー氏にクラウンの株式を売却するよう勧めることは控えたものの、同氏の過度な影響力に具体的に触れ、「当局は、明らかに機能不全に陥っていた環境へ容易に戻れるようにする協定がこれ以上存在しないと、確信と自信を持つべきだ」と述べた。