ゲンティン・シンガポールは、2020年にリム・コック・タイ会長に支払った報酬額に対する最近の落胆を受けて、昨年初めに臨時株主総会で可決された決議を無視することを決定したと述べている。
この決定は、ゲンティン・シンガポールが昨年のEGMの決議3を指摘しつつ、2020年2月4日に開催された直近の年次総会終了後の翌木曜日に明らかとなった。その決議とは、「会長へのPSS株式報酬の上限規模を上げる」ことであった。
ゲンティン・シンガポールは、先月下旬の2020年度年次報告書で、新型コロナのパンデミックにより、同社の純利益が前年比90%減の6,920万シンガポールドル(約56.3億円)であったにもかかわらず、その年度の同氏の総報酬額は2,125万〜2,150万シンガポールドル (約17.3億円〜約17.5億円)の間でほぼ倍増となったと明らかにした。
それはシンガポール取引所(以下、SGX)からの「説明依頼」を促すこととなり、同時に同社は、リム氏の2020度の報酬額のちょうど80%強は、実際には見込みボーナス3,500万シンガポールドル(約28.5億円)の一部を会計上の見越額として計上していたと回答した。このボーナス日本でIR設置・運営ライセンス(以下、IRライセンス)を獲得した場合の「会長奨励賞」として同氏に支払われる予定のものである。
同社は、今年リム氏に付与された75万株の達成報酬は「2020年度の業績不振のため」失効したが、他の3人の取締役それぞれに12.5万株の株式報酬が付与されたと語った。
同社は今週行なわれた年次総会の結果を発表する際いに、リム氏の日本IR設置に関するインセンティブ報酬は引き続き行うつもりであるが、リム氏とその息子であるリム・ケオン・フイ氏は、ゲンティン・シンガポールの株式53%を保有するゲンティン バーハッドの子会社のゲンティン・オーバーシーズ・ホールディングス・リミテッド(GOHL)に関心があるため、投票を控えるべきであったというSGXからのさらなる見解を受けて、「会長へのPSS株式報酬の上限規模を上げる」という昨年の決議は無視すると述べた。
GOHLによる援護により、投票率84.74%でその決議が可決された。
ゲンティン・シンガポールが昨夜以下のように語った。「当社は、EGMを設置するにあたり、会長自身が当社の直接的利益に関する決議3に投票することを義務付けられ、棄権をしたが、GOHLは…投票を棄権する必要はなかったと考えていた。
この点に関し、当社はGOHLが決議3の投票を棄権すべき必要性があったとしたSGXからの見解に留意しており、さらには、GOHLが投票を棄権していたならば、決議3は承認されてなかっただろうと認識している。そのため、我々は決議3を承認されたとはみなしておらず、それを当てにすることもないだろう。」