マカオの賀一誠行政長官は、政府が将来中国のデジタル人民元を導入できるよう金融法の改正を計画していると話す。
賀行政長官は火曜、立法会に対して、デジタル通貨が世界的に受け入れられていること、そして中国本土政府が最近、複数都市で実証実験後にデジタル人民元をリリースする意向であると述べていることを考えるとマカオがその後に続くことは避けられないと述べた。
賀行政長官は、「マカオは現段階ではまだこのプロセスに達していないものの、中央政府のペースについていくべきだ。我々は継続して中国人民銀行と連携を取りながら、マカオでの人民元導入に関する実行可能性調査を開始する。したがって、我々は、デジタル通貨導入を可能にするために、関連法律に規定を追加する必要がある。」と述べた。
中国は、深圳、広東、蘇州、成都、四川、雄安新区での実証実験を通じて、2019年後半にデジタル人民元に向けた第一歩を踏み出した。
中国人民銀行は2020年10月時点で、上海、長沙、西安、青島、大連、遼寧というさらに6都市に同プログラムを拡大していることを今週明らかにした。
中国のデジタル人民元の実証実験には、一般的な生活関連支出、食事の宅配サービス、交通機関、公共サービスの支払いなどが組み込まれている。しかし、中国本土でデジタル人民元を公式通貨として開始するためのスケジュールはまだ正式に発表されていない。
IAGがすでに伝えた通り 、中国のデジタル人民元は、決済システム全体を徹底調査し、WeChatPay(微信支付)やAlipay(アリペイ)などの決済アプリへの依存度を減らし、マカオの主な通貨であるパタカを置き換えることで、マカオにとってのゲームチェンジャーになる可能性がある。
投資顧問会社のバーンスタインは、最近のレポートの中でこのように述べている。「もし人民元がマカオの法定通貨になれば、デジタル人民元の使用への道も開かれることになる。カジノという観点から、これは例えば、香港ドルに両替する必要なく、(デジタル)人民元を使用して、瞬時にカジノケージから(またはテーブルからでさえ)、プレイ用チップを直接購入できるということを意味する。マカオの主要顧客グループ(中国本土からの客)から通貨両替の必要性を無くすことは、プロセスを単純化させ、外貨両替手数料を顧客に負担させないという点からもメリットがあるだろう。デジタル人民元によって、政府は金の流れをより詳しく精査し、管理することができるようになる。しかし、また送金がこれまで以上に容易になるために、(ジャンケット、地下銀行または質屋といった)仲介業者使用の必要性も排除してくれる。マスおよびプレミアムマスプレイは金の流れが容易になることから確実に恩恵を受けることができるだろう。」