IR(カジノを含む統合型リゾート施設).の誘致を目指す長崎県は19日、IRを設置・運営する事業者の選定で、1次審査を通過した3者を発表した。
1次審査を通過したのは、50音順に▽「オシドリ・コンソーシアム」▽「カジノオーストリアインターナショナルジャパン(以下、CAIJ)」▽「ニキ&チャウフー(パークビュー)グループ」の3者。審査委員会がコンセプトや運営能力、財務能力などを審査し、参加登録申請事業者5者の中から選ばれた。
カジノオーストリアは、ゲーミング事業などを手がけるオーストリアの国営企業で、創業以来35か国、 215のプロジェクトに携わり、 現在は12の国で26のカジノを運営している実績を持つ。日本法人であるCAIJ代表取締役社長の林明男氏はIAGの取材に「今後も正攻法で頑張ります。ライバル二者と争うことより、目指すは長崎県と佐世保市が納得できるパートナーになり、日本のため、地方創生に貢献していきたい」と意気込みを語った。
香港の総合金融サービス会社を親会社に持つオシドリは、最近、アメリカのトライバルゲーミング会社で実績の多いモヒガン・ゲーミング&エンターテインメントと提携した。また、2月には、長崎をホームとするJリーグのプロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」とオフィシャルパートナー契約を締結している。会長兼社長兼CEOにMGMリゾーツの元社長及びMGMスタジオの元CEOなど、豊富な業界経験を持つアレハンドロ・イエメンジアン氏を迎え、万全の体制で挑む。
ニキ&チャウフーグループは、日本のTHE NIKIと台湾のチャウフー(パークビュー)グループのコンソーシアムで、長崎県の統合型リゾート開発レースに5者中最後に応募している。IAGの取材にNIKIの担当者は「非常に嬉しく思っている。2次審査に向けて膨大な資料の用意が必要であり、40社以上の協力会社と共に準備している」と嬉しい悲鳴をあげた。業界内外で話題になっている同グループのカジノオペレーターについては「今はまだ話せないが、当事者からもうすぐ発表があるだろう」と述べるにとどまった。
長崎県知事の中村法道氏は「長崎県におけるIRの実現に関心と提案をいただいた全ての事業者に対して、心から感謝を申し上げたい。今後とも、県民の皆様のご意見を伺いながら、本県のみならず、九州の観光及び地域経済の活性化に寄与し、我が国の発展にも貢献する九州・長崎IRの実現に力を注いでまいります」とコメントし、引き続きIR誘致に注力する姿勢を強調した。
今後行われる2次審査では、より具体的な審査や廉潔性調査を行い、8月に最終的な1者が選定される予定だ。