ニューサウルウェールズ州ゲーミング規制当局は、先週公開されたバーギンレポートの提言を受けて、クラウン・リゾーツが22億豪ドルをかけたクラウン・シドニー開発のための州カジノライセンスを保有するのに適格ではないと正式に判断した。
クラウンはそのカジノでの資金洗浄疑惑、そして同社がが19.99%の株式を、マカオでカジノを運営するメルコリゾーツ&エンターテインメントに売却することに合意したことで、NSWライセンスに違反したという疑惑に直面していた。751ページに及ぶコミッショナー、パトリシア・バーギン氏からのレポートは、そのような状況で行われたクラウンのライセンス保有適格性への長期間の調査結果となる。調査ではクラウンのジャンケットパートナーがアジアの犯罪集団とつながっていたという疑惑、そして中国本土で賭博を不法に宣伝したとしてクラウン・リゾーツの従業員が2016年に逮捕された件に重点が置かれた。
火曜早朝のクラウン・リゾーツによるASX発表によると、ニューサウルウェールズ州独立酒類・ゲーミング局(ILGA)は、クラウン・リゾーツに対して書面を送り、1992年カジノ管理法(NSW)第143条の下で、クラウンの現地法人であるクラウン・シドニー・ゲーミングが制限されたゲーミング・ライセンス(Restricted Gaming Licence)の実施に適した法人ではなくなったと現在考えていることを正式に通達した。
また、当局はクラウン・シドニー・ゲーミングに対して、同社がVIPゲーミング運営協定書(VIP Gaming Management Agreement、VIP GMA)の14項(a)に違反しているという通知も出している。
クラウンは発表の中で、「ILGAがVIP GMAの下で予期される協議プロセスを開始し、現在の見解に関連してILGAに対処するよう、クラウン・シドニー・ゲーミングを招致した」と述べた。
クラウンが不適格であるという正式な判断は、大きな驚きとしては受け止められておらず、クラウンは既に適格と認められるよう手順を踏んでおり、広範囲に及ぶ取締役会の改革が特に大きな注目を集めている。その改革によって、すでにガイ・ジャランド氏、マイケル・ジョンストン氏、アンドリュー・デメトリウ氏の3人の取締役が過去1週間に辞任しており、代表取締役CEOのケン・バートン氏は月曜、辞任を正式発表し、会長であるヘレン・クーナン氏が同時に暫定業務執行役会長に就任する。
明るい話題としては、ILGAはクラウンは積極的に協力する姿勢であれば、適格と認められる「十分な見込み」があると述べた。