最近、MGMリゾーツが買収を目指していた英スポーツくじおよびiGamingグループのエンテインが、オーストラリアのくじ大手、タブコープの賭博およびメディア事業の買付提案を開始し、独自での大規模買収を目指している。
今回の提案は火曜にオーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー(AFR)が初めて明らかにし、その後双方が提案を正式に認め、エンテインは昨夜株主に対して以下のように宣言した。「(タブコープの)賭博およびメディア事業を取得するための法的拘束力のない意向表明を行なった。
協議は初期段階であり、あらゆる取引は規制された国際市場で拡大するというエンテインの現在のM&A戦略と一致した形で行われる。そんな中でこれは魅力的な事業を取得する機会を示しており、エンテインのオーストラリアでの既存事業と組み合わされば、業界をリードするマルチチャネル、そしてマルチブランドの統合賭博会社を作り出す」。
エンテインは、その価値およそ30億豪ドル(約2,400億円)にのぼると予想されるタブコープの利益の大きな賭博事業の取得に関心を寄せていると言われている2つのグループの1つで、AFRによるともう1社はプライベート・エクイティ投資会社。
そのような取引が進められれば、エンテインはタブコープが43.7%のシェアを誇る実入りのいい豪競馬・スポーツくじ市場において直ちに最大手プレイヤーとなる。エンテインは現在、地元スポーツブックメーカー、ラッドブロークスを通じて4%のシェアを持つ。
皮肉にも、米カジノ大手MGMリゾーツが全額株式交換によるおよそ130億米ドルに相当する取引でエンテインへの買収提案を行なったことを認めたのはつい1カ月前のことだった。エンテインはその提案を断り、MGMは最終的にこれ以上その問題を追い求めないことを選んだ。
火曜に独自で出した声明の中で、タブコープはこのように述べた。「タブコープの賭博およびメディア事業に関わる取引の可能性に関連して相手先から多数のアプローチや提案を受けていることは認める。
提案は機密かつ暗示的な法的拘束力のない形で行われており、デューディリジェンス、資金調達および規制上の承認など多くの条件をクリアする必要がある。取引が行われるかどうかに関しては一切確実な見込みはない。
タブコープ取締役会は提案を評価中であり、タブコープは適当な時期に最新情報をお知らせする」。