米カジノ大手ラスベガス・サンズ(LVS)のマカオ法人、サンズ・チャイナは、2020年10-12月期に収益が前年同期比で69.9%減となる6億7,200万米ドル(約698億900万円)へと減少した影響で損失額が2億4,600万米ドルにのぼったことを報告した。
しかしながら、これらの数字は、収益がたった1億6,700万米ドルに落ち込み、同社が5億6,200万米ドルの損失に苦しんだ2020年第3四半期からは着実に改善していることを意味している。第4四半期、サンズ・チャイナの収益は前四半期比では300%以上増加した。
創業者であるシェルドン・アデルソン氏が2021年1月11日に死去したことで、今週に入って同社トップに正式に就任したロブ・ゴールドスタイン会長兼CEOは、「新型コロナの世界的感染拡大からの回復プロセスがマカオとシンガポールの両方で継続して進んでいることを報告できて嬉しく思う。
この市場全体で旅行と観光の消費が最終的に回復するということに関して楽観視していることは変わりない。当社の財務的な強さが幸いにも、以前発表したマカオとシンガポール両方での資本支出プログラム、そして新市場での成長の機会を模索する努力を支えてくれる」と述べた。
今回の結果には、サンズ・チャイナのマカオ施設全体の調整後プロパティEBITDA、4,700万米ドルが含まれており、20年第3四半期に報告した2億3,300万米ドルの調整後EBITDA損失からは改善したものの、2019年第4四半期の8億1,100万米ドルの調整後EBITDAと比べると大幅に低い数字となっている。
LVSのシンガポールの旗艦施設、マリーナベイ・サンズ(MBS)でも改善が見られており、調整後EBITDAは第3四半期の7,000万米ドルから1億4,400万米ドルへと増加した。MBSの純収益は前年同期比で59.6%減の3億4,500万米ドル、カジノ収益は2億2,900万米ドルとなり、第3四半期の純収益2億8,100万米ドル、カジノ収益1億9,700万米ドルからは改善を示している。
サンズ・チャイナの20年度全体の合計純収益は、2019年度比80.8%減の16億9,000万米ドルで、2019年の純利益20億4,000万米ドルに対して、20年度は15億2,000万米ドルの純損失を計上した。
親会社であるLVSは、20年第4四半期にグループ全体の純収益が前年同期比67.3%減の11億5,000万となり、純損失が3億7,600万米ドルにのぼったことを報告した。20年度の純損失は16億9,000万米ドルだった。