今週のジョー・バイデン氏の第46代米国大統領就任は、ゲンティン・マレーシアにとっても良いニュースとなる可能性がある。メイバンクIRリサーチの木曜のレポートによると、暗礁に乗り上げているマサチューセッツ部族カジノプロジェクトの建設再開への道を切り開くことになるかもしれない。
ゲンティン・マレーシアは2016年4月、同州のマシュピー・ワンパノアグ族が新たなカジノ計画であるファーストライトリゾート&カジノ(FLRC)の建設費の一部にするために発行した利子付約束手形を引き受けた。その4億2,630万米ドル(約441億円)の投資で、同社は12%から18%の間の利息を受け取り、EBITの30%で少なくとも7年間カジノ運営を管理することになっていた。
しかしながら、ゲンティン・マレーシアは2018年にその投資を減損損失として除却処理することを余儀なくされた。米内務省がマシュピー・ワンパノアグ族は、同部族が統合型ゲーミングリゾート開発のための信託地を持つことを認めるインディアン再組織法の条件を満たさなかったために、予定していたカジノ開発ができないと判断した。ゲンティンも利子で受け取るはずだった年約6,200万ドルを失った。
バイデン氏の選挙キャンペーンは米先住民寄りのスタンスを取っており、先住民女性として初めて下院議員になった2人のうちの1人であったデブ・ハーランド氏を内務長官に指名したことで、今回その全てが変わる可能性が出てきた。
木曜、メイバンクIBリサーチのアナリスト、サミュエル・イン・シャオ・ヤン氏は、「我々の見方では、マシュピー・ワンパノアグ族にとっては、その保留地が内務省によって継続して信託保有され続けるチャンスがめぐってきた。
これによって、マシュピー・ワンパノアグ族はFLRCの建設を再開できるようになる。もしその保留地を内務省が信託で保有しつづけ、彼らが建設を再開できるようになれば、(中略)ゲンティン・マレーシアが18年第3四半期に減損処理した約束手形を再記載するかもしれないと推測している。
これによって、我々は標準作業手順ベースの目標価格を12%、22年度の予想一株当たり利益(EPS)を17%引き上げることになる。
6つの州を対象とする新たな活動制限令(MCO)の実施によって、来場者数の大幅減の可能性が高いために、イン氏がゲンティン・マレーシアの2021年EPS予想を58%引き下げたのはつい先週の事だった。
ゲンティン・マレーシアによる減損損失の逆転処理は、その痛みを緩和するのにいくらか助けとなるだろう。しかしながら、FLRCが現実となるのはまだ先のことだ。
イン氏は、「我々の理解では、もし許可されたとしても、マシュピー・ワンパノアグ族は10億米ドルのFLRC建設を再開するのに十分な現金を持っていない。
ゲンティン・マレーシアから聞いた話によると、彼らは物事がより明確になるまではマシュピー・ワンパノアグ族の約束手形をこれ以上引き受けないかもしれない。従って、マシュピー・ワンパノアグ族は別の資金源を探さなければならない可能性がある。
それでもなお、我々はゲンティン・マレーシアのマシュピー・ワンパノアグ族約束手形が、再度記載される可能性があるという見解を持っている」と述べた。