マカオのゲーミング監察協調局が公表した最新のデータから、区内のVIP部門の現在の苦戦が鮮明になっており、VIPバカラの市場シェアは2020年10-12月期にたった34.6%へと激減している。
VIPバカラは20年第4四半期に76億2,700万パタカ(約988億円)の収益を生み出した。7-9月期の23億4,100万パタカ(約303億円)からは226%という大幅な増加となり、中国本土との入境制限が緩和されたことが旅客数の増加につながった。
しかしながら、その回復率は、マス市場収益から大きく遅れをとっており、マスバカラは20年第3四半期比で532%増の118億5,000万パタカ(約1,534億円)にのぼった。同四半期、マスバカラはゲーミング粗収益全体の53.8%を占めた。
マカオ全体では、カジノゲームからの収益は前四半期の50億7,700万パタカ(約657億円)から220億1,800万パタカ(約2,851億円)へと約4倍増加した。
VIP部門は、マカオゲーミング市場のたった34.6%という過去最低の市場シェアを記録した。20年第3四半期に記録した45.3%よりも低く、VIPバカラが区内のゲーミング粗収益の73%を占めていた10年前からは大幅に低い水準となった。
VIPプロモータートップのサンシティグループは、ゴールドマン・サックスが最近開催したコーポレートデーでVIPの取扱高が12月時点で新型コロナ前の20%ほどまでしか回復していないことを明かしており、ゲーミング監察協調局が公表した20年第4四半期の数字はそれを反映している。
サンシティは、それに対応する形でザ・パリジャン・マカオを含むマカオのVIPルームの一部を閉鎖しているものの、同社のある社員はIAGに対して、取扱高が戻ればVIPルームは再開される予定であることを正式に認めた。