ラスベガス・サンズが、会長兼最高経営責任者のシェルドン・G・アデルソン氏が死去したことを発表した。ラスベガス・サンズは、ラスベガスにあるザ・ベネチアン・リゾートおよびサンズ•エキスポ、そしてシンガポールのマリーナベイ・サンズを運営する。
アデルソン氏は、マカオのコタイストリップにあるザ・ベネチアン・マカオ、ザ プラザおよびフォーシーズンズ ホテル マカオ、サンズコタイセントラル、ザ・パリジャン・マカオ、そしてマカオ半島側にあるサンズ・マカオなど、マカオで多くの施設を運営するサンズ・チャイナの会長兼最高経営責任者も務めていた。
ラスベガス・サンズは声明を出しており、アデルソン氏への敬意を表して以下にその全文を掲載する。
当社創業者で先見の明を持ったリーダーでもあったシェルドン・G・アデルソンが、非ホジキンリンパ腫の治療に関連する合併症によって死去しました。87歳でした。移民の両親の元に生まれ、ボストンの貧しい地区で育ったアデルソン氏は、道端で新聞を売る10代の少年から、世界で最も成功した起業家の1人になりました。
同氏の統合型リゾートおよびホスピタリティ業界での偉業は誰もが知るところであります。ラスベガス、マカオ、シンガポールにおいて、アデルソン氏の統合型リゾートへのビジョンが業界の在り方を変え、自身が創業した会社の道筋を変化させ、そしてそれら各市場の観光の新しい未来を作りました。業界に同氏が与えた影響というのは永遠に続いていくことでしょう。
アデルソン氏は、ラスベガス・サンズの最初の従業員であり、「Team Member Number One(社員第1号)」という言い方がお気に入りでした。今日、5万人以上いるサンズの社員が、大切な家族を失ったアデルソン博士をはじめとするご遺族のことを想い、祈りを捧げているとともに、人生においてこの偉大な人物と関わりを持てたことを非常に嬉しく思っています。
パンデミックが、日々のルーティンを乱し、自身のビジネスに大きな影響を与えた時、アデルソン氏は、世界中にいる社員が、働いている建物が閉鎖されたとしても、給与全額と医療給付を継続して受け取るということに関して断固とした姿勢を貫きました。同氏の寛大な心や思いやりに関しては語られていない話が他にもたくさんあります。自身の努力に対して、アデルソン氏が他者からの感謝や人気を求めたことはなく、それらについて尋ねても、ただ笑顔が返ってきただけでしょう。
50以上の会社を起こしてきた、または携わってきた同氏のビジネスでの実績が揺らぐことがない一方で、慈善活動への献身や、家族へのコミットメントこそ、本当の意味での彼の遺産となっていくことでしょう。アデルソン氏の寛大な心、親切さ、知性、そして素晴らしいユーモアのセンスに触れた世界中の人達が彼にもう会えないことを寂しく思うことでしょう。
ご遺族は、アデルソン氏の死去を悼む間、静かに見守ってもらえるよう願っています。葬儀は、ミリアム・アデルソン博士の出生地であるイスラエルで執り行われる予定で、ラスベガスでのお別れの会に関する予定は、今後発表されます。
サンズ・チャイナの社長であるウィルフレッド・ウォン博士は、マカオの従業員に向けて声明を出し、「ミリアム・アデルソン博士をはじめとするご遺族には心よりお悔やみ申し上げます。
我々がこの偉大なリーダー、そして彼が先見の明を持ってマカオのために作り出してくれたものへの恩を忘れることはありません。彼が遺してくれたもの、そしてその思い出は、我々の心に生き続けることでしょう。
アデルソン氏のご冥福をお祈りいたします」と述べた。