MGMチャイナの筆頭大衆株主であるアジア投資運用業者のスノー・レイク・キャピタルがMGMリゾーツ・インターナショナル宛てに公開状を書き、将来の成長に向けて有利な立ち位置につけるための戦略的取り組みの一環として、MGMリゾーツに対してMGMチャイナの持分の20%を中国トップの消費者向けインターネット企業または旅行・レジャー企業に売却するよう強く求めた。
スノー・レイク・キャピタルと創設者のショーン・マ氏が水曜日に公開した同書簡は、そのような取引を行う主な6つの理由を説明すると同時に、「関係者全員にとって有利な取引を作り出し、両社に大きな株主価値を届ける」ことができると、複数の潜在的な投資家に提案している。
スノー・レイク・キャピタルは現在MGMチャイナの7.5%の株式を保有する。
公開状によると、MGMリゾーツが現在保有しているMGMチャイナの55.95%の持分を20%減らすことで、新しい戦略的投資家が「MGMチャイナとマカオに2022年の今セッション再入札に極めて重要な要素となる重要な非ゲーミングリソース」をもたらせるようになる。 また、MGMチャイナは「2022年に新たなコンセッションを獲得する可能性を最大化するためのあらゆる選択肢を検討しなければならない。この目標を達成ができないシナリオはMGMチャイナとMGMリゾーツ・インターナショナル両社にとって悲惨な結果となる」とも述べている。
特に、MGMチャイナの時価の増加を実現するという理由で、そのような取引はMGMチャイナの株主に対して大きな価値を提供することになる。スノー・レイク側は、2022年ゲーミングコンセッションが差し迫っているために、MGMチャイナの価値はマカオの国内事業者と比べて20〜30%低いと言う。
新しい戦略的投資家とMGMチャイナのパンジー・ホー同席議長兼業務執行役員との間のパートナーシップの可能性が、マカオの多様化とグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)の統合に「重要な役割」を担うことも書簡の中で指摘されている。
この取引は、大阪でのIR開発を目指すMGMリゾーツにとってもプラスになるとスノー・レイクは言う。自由に使える資金が増え、最終的には米国でのオンラインスポーツくじでのM&Aのチャンスを合同で目指すための柔軟性を与えてくれる。IAGが伝えた通り、MGMリゾーツはBetMGMの合弁パートンバーであるエンテイン社と、129億米ドル(もしくはそれ以上)での買収の可能性について協議している。
様々な企業の中でスノー・レイク・キャピタルが相応しいと見ているのは、中国最大の消費者向けサービスインターネットプラットフォームの1つを運営する美団、中国のオンライン旅行代理店Trip.com、複数のホテルブランドを運営するホワズー・グループ(華住集団有限公司)、そして中国第4位の不動産開発会社 サナックチャイナホールディングス(融創中國控股有限公司)。
スノー・レイクは、「MGMチャイナにとっての重要な戦略的株主として中国トップの消費者向けインターネットプラットフォームの1つを紹介することは、両社にとって有利な取引を作りだす。というのも、新型コロナ後に業界が低迷する時に、ゲーミング以外の能力と資源をマカオにもたらすことでMGMチャイナを差別化することができる。一方で、これらの企業もまた、MGMチャイナへの戦略的投資から利益を得ることになる」と話す。
スノー・レイクは、MGMリゾーツの日本でのIRライセンス獲得を目指す取り組み、そしてエンテイン獲得への動きを支援すると言い、両方のチャンスのための資金を得るために、MGMチャイナの20%を売却する案を検討するよう促している。
公開状には、「取引が成功すれば、MGMリゾーツ・インターナショナルは長期成長市場で好位置に付けることができる。
前述の理由から、我々はMGMリゾーツの取締役会および経営陣に対して、将来のマカオでの成功に向けてMGMリゾーツ株主を最も有利な位置に立たせられるよう、中国トップの消費者向けインターネットまたは旅行・レジャー企業との戦略的な取引を真剣に追求するよう強く求める」と書かれている。
スノー・レイクは、9月と10月の2回の取引を通じて1億2,800万香港ドル(約17億円)相当の株式を取得するなど、昨年末にMGMチャイナへの持株を増加させたと見られている。