IAG Japanが今日の世界の統合型リゾートに見られる最も人気の高いアトラクションに目を向けてみた。
統合型リゾート」という言葉が作られたのは2000年代初頭のことで、自国への観光客誘致に熱心な主権国家であるシンガポールが、合計床面積の少なくとも90%をゲーミング以外の施設に使用しなければならないというルールで、2つのカジノライセンスの入札を募った。
もちろん、IR自体は何ら目新しいものではなく、ラスベガスはそのゲーミングサービスを補完する豊富なMICE施設及び娯楽アトラクションを中心にその成功を築き上げてきた。そしてその言葉はマカオ、ベトナムそして最近では韓国といった地域の成長と共にアジアで馴染みあるものになってきた。
現在ある大規模IRは、彩り豊かで複雑に入り組んでおり、最高級5つ星ホテル、ミシュランで星を獲得したレストラン、ハイエンドのファッションを扱う店舗など様々な施設が混在する。また、世界で最もユニークかつ珍しいアトラクションも多く設置されており、その内容はジェットコースターや水族館からアートギャラリー、シアターにまで多岐にわたる。
日本が最初のIRオープンに近づく中で、IAG Japanは今日の統合型リゾートで最も人気のある非ゲーミングアトラクションに注目してみた。
グランドリゾートデッキ
毎年マカオで最も人気を集める非ゲーミング施設の1つが、ギャラクシー・マカオにあるグランドリゾートデッキだ。7万5,000㎡のウ ォーターパークがこの街最高の統合型リゾートの一つの目玉とな っている。
子供だけでなく大人にとっても真の水のワンダーランド、グランドリゾートデッキは、世界最大のスカイトップ・ウェーブプール(波のプール)や、全長575mという世界最長の流れるプール、スカイトップ・アクアティック・アドベンチャー・リバーライドなど、多種多様な水のアトラクションを用意しており、熱い季節に体をクールダウンさせてくれる。流れるプールの透明のチューブからは下を歩くゲストに手を振ることもできて楽しい。
他にウォータースライダー、水の吹き出し口、滝、そして子供専用の水遊びゾーンなどもある。または、150mもの白い砂浜で羽を伸ばして心配事を洗い流してしまうこともできる。プールサイドでリラックスしたい人のために、グランドリゾートデッキには、『サーフバー』、『ブリーズカフェ』、JWマリオットの『ザ・プールバー』、そしてバンヤンツリー・マカオの『カバナ』の4つのプールサイドレストランおよびラウンジに屋外飲食スペースが用意されており、行き届いたサービスを受けることができる。
ザ ミラージュ・ラスベガスの火山
全てはここから始まった。1989年にラスベガスの夜空に向かって初めて噴火したミラージュ・火山は、30年以上も観客を魅了し続けている。この火山はラスベガス・ストリップにあるザ・ミラージ ュの正面にある。
しかし世界的に有名なこのアトラクションは、2008年の全面改装時以外は、毎時間活動を活発化させ続けており、20時から22時の毎正時に4mの高さに達する火柱とともに「爆発」する。そしてグレイトフルデッドのミッキー・ハートと、インド出身の世界的に有名なタブラ奏者、ザキール・フセインによる音楽が観客を夢中にさせ続ける。
言いたいことは分かる。今では少しばかり時代遅れかもしれないが、古き良きラスベガスを求める人にとっては必見だ。
シルク・ド・ソレイユ
現代版サーカス、シルク・ド・ソレイユは1984年の誕生以降、世界的な巨大サーカスに成長し、毎年300以上の都市で公演を行な っている。しかしこのカナダの有名サーカスブランドが本当の意味で大きくなったのがラスベガスだ。この会社は、1993年にトレジャ ー・アイランドで初めて常設ステージショー『Mystere(ミスティア)』を披露し、その後、1998年のベラージオでの「O(オー)」のデビューが続いた。両ショーともに新型コロナの感染拡大の中でも今日まで続いている。事実、ラスベガス・ストリップでは、数10年の間に11ものシルク・ド・ソレイユによるショーが行われa、そのうちの5つが今なお行われている。
ラスベガスへの全訪問者の5%にあたる9,000人以上の人が毎日、市内で行われているシルク・ド・ソレイユの1つを鑑賞していると予想されている。
ストラトスフィア
スリルを求める人たちは、過去25年の大半の期間、ラスベガスで最も高い建築物となっていたタワーの最上部へと登ってきた。350mの高さを誇るストラトスフィアは、街を一望できるパノラマの景色と、確実に心拍数を早める4つの絶叫アトラクションを持つ。その乗り物には、時速70kmを超える早さで49m一気に上昇する『Big Shot(ビッグ・ショット)』、地上350mの高さに吊り下げられた状態で高速回転する『Insanity(インサニティ)』、そしてストラトスフィアの屋上、スカイポッドの端をシーソーのように行き来する『X-Scream(エックス・スクリーム)』などがある。
最後に、『SkyJump (スカイ・ジャンプ)』だ。勇気ある人は建物から飛び降りることができる。時速60kmを超える速さに達した後、コントロールされた下降システムによってスローダウンし、安全に地上へと送り届けられる。
ベラージオの噴水
これはご存じの方も多いのではないだろうか。ベラージオの噴水は、オープン当時世界最大の噴水だったが、その後ドバイ・ファウンテンやオカダ・マニラの噴水に大きさでは追い越された。しかしながら、知名度で言えば2001年に公開された映画『オーシャンズ11』など、数えきれないほどのハリウッド映画の中心を彩ってきたこのオリジナルにかなうものはない。
この噴水は総工費約4,000億ドルをかけて建てられ、8,300万リ ットルの水を溜めておくことができる泉から140mの高さにまで水を吹き上げる吹き出し口が1,200個も設置されている。
マリーナベイ・サンズのインフィニティプール
ほぼ間違いなく世界で最も有名なプール、マリーナベイ・サンズ(MBS)のスカイパークは、その下の建物と同じくらい象徴的な施設であり、それ自体が2010年のリゾート開業から、世界に向けたシンガポールの顔となっている。
MBSの屋上インフィニティプールは、高所にあるものでは世界最長のスイミングプールで、見えない縁部分は146mの長さ、地上191mの高さに位置している。
シンガポールを一望できる素晴らしい景色を堪能することができるこの屋上は、最大3,900人を収容でき、プール自体には1,425㎥の水を溜めることができる。かなりの重さではあるが、高所恐怖症の人も怖がる必要はない。プールの構造部分に使用されている191tものステンレス鋼によって安全は確保されている。