和歌山市の「和歌山マリーナシティ」に和歌山県が誘致を目指す、IR(統合型リゾート施設)への交通アクセスとして、市と南海電鉄は30日、道路にバス用レーンを設けて走らせるなど、連節バス(BTR)の共同研究をすると発表した。
南海電気鉄道株式会社[社⻑:遠北(あちきた)光彦]は、既存のバスに加えてBRTの導入がIR誘致実現時の交通輸送等の諸課題への対応に有効であるとの提案を和歌山市に対して行い、このたび、和歌山市と連携して、その実現性についての検討を進めていくこととし、共同研究会をスタートしたと発表した。
持続可能な公共交通ネットワークを構築し、和歌山全体の公共交通の利便性向上を目指す。
また、主要駅から観光地までをつなぐ公共機関の強化など、観光地への新たな誘客、まちなか回遊性の向上を目指す。
BRTとは、Bus Rapid Transit(バス ラピッド トランジット)の略。連節バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステムのことだ。
2020年度中に試走期間を予定しており、JR和歌山駅・南海電鉄和歌山市駅・和歌山マリーナシティを結ぶルートを検討している。交差点や道路の拡幅の必要性、交通渋滞の影響などを調査する。
市役所での共同会見で、南海電鉄の遠北社長は「市内の主要駅からIRをつなぐ交通手段の強化になる」と説明。尾花正啓市長は「運行が実現すれば市内観光の振興にもつながる」と期待を見せた。