最近中国本土が発表したギャンブル観光地のブラックリストに北マリアナ諸島連邦(CNMI)が含まれる可能性があるという懸念は、「我々とは全く関係ない」。インペリアル・パシフィック・インターナショナルのドナルド・ブラウンCEOはそのように話す。
8月、中国文化観光部は、中国本土の客をターゲットにしたカジノをオープンすることで、同部が言うところの国のアウトバウンド観光市場を混乱させている海外観光地の「ブラックリスト」を作成したと発表した。
当時の声明によると、越境ギャンブル観光地のこのブラックリストシステムによって、ブラックリストに含まれている海外都市や景勝地に行く中国国民に渡航制限が課せられる可能性がある。
その声明が具体的にどの場所に言及しているかは明かされなかったものの、フィリピン、ベトナム、オーストラリアが可能性の高いターゲットとして見られている。
今週、CNMI連邦カジノ委員会のエドワード C.・デレオン・ゲレーロ事務局長もこの問題を取り上げており、同地方への訪問客に対するそのような禁止はゲーミングと観光業全体に多大なる影響を及ぼすという懸念を表明したとサイパン・トリビューン紙が伝えた。
また、問題を抱えるサイパンのカジノ開発会社、IPIへのさらなる打撃にもなると見られる。同社は既に、新型コロナウイルスによって3月にカジノ営業を停止してから、債務返済に苦戦している。しかしながら、ゲレーロ事務局長からの質問に対して、ブラウン氏は「既にここには前からギャンブルがあったために、本当に我々とは関係がない。彼ら(中国)が、これらの事だけを基に(CNMIをブラックリストに載せる)決定を下すことはないだろう」と述べた。
サイパン・トリビューン紙によると、ブラウン氏は、中国の主な懸念点は賭博目的での海外送金だという意見を述べた。