自民党の甘利明税制調査会長は26日、IR(統合型リゾート施設)に関連する納税環境の整備について、12月にまとめる2021年度税制改正大綱に反映する考えを示した。記者団に「今回の税制改正で基本的なことを決める」と述べた。地方自治体によるIR事業者の選定に先立ち税制を整える。党税調が同日党本部で開いた幹部会合後、明らかにした。IRを巡る税制は利用客がカジノ施設で得たもうけにかかる所得税をどうするかが検討事項になる。日本経済新聞が伝えた。
甘利氏は「税制が決まっていないのでは全く予見可能性がなく、手を挙げる事業者がいなくなる」と説明した。国土交通省は税制改正に向けた要望で、勝ち金について源泉徴収を不要とし、一時所得として確定申告するよう求めている。
また、甘利氏は課税手法について「国際標準になると思う」との見方を示した。海外から来る利用客への払戻金について欧州やシンガポールと同様に非課税にする案も議論する見通し。
政府・与党は昨年12月、勝ち金にかかる課税について、源泉徴収の手法をとることや、利用者がカジノで使うチップの購入額や、個々のゲームの勝ち負けを記録するよう事業者に義務付けることを検討していた。しかし、この課税手法では事業者側の負担も大きく、カジノを訪れる外国人客に不利益が生じ、結果、事業の運営に支障をきたすと事業者側からも懸念されていた。