業務執行取締役兼CEO
タブコープ
パワースコア: 1,129
昨年の順位: 26
評価理由
• イギリス、南アフリカ、オーストラリアで30年近い業界の経験
• オーストラリア最大のレースおよびギャンブル会社のトップ
確実に、デイビッド・アッテンボロー氏が持っていたであろう「静かに幕引きする」という願いは新型コロナによって打ち砕かれた。
2010年4月にタブコープのCEOに就任したアッテンボロー氏は7月、2021年初頭にオーストラリアのレーシングおよびギャンブル大手である同社を去る計画を発表、2017年に完了したタッツ・グループとの110億豪ドル(約8,300億円)の合併がその決断を後押ししたと述べた。
同氏はその際、「タッツとの合併は大部分が完了しており、その結果、今こそ取締役会と協力できる次期CEO、そして会社を前進させることのできる経営陣を任命するプロセスを開始する絶好のタイミングだ」と話していた。
しかしそこまでは、アッテンボロー氏は身を粉にして働き、新型コロナが引き起こした予期せぬ難題を考えて船を安定させようと努力している。
タブコープは、2020年6月期、10億9,000万豪ドル(約820億円)の”のれん減損” によって、8億7,000万豪ドル(約660億円)の損失を報告した。同社は新型コロナ関連で様々なことを想定した結果だと述べた。これには、連邦および州政府が実施した新型コロナ安全対策の直接的な影響、小売の縮小が加速する可能性、そしてパンデミックによって潜在的な長期影響が不確実であること、競争の激化、そして消費者信頼感低下の可能性と経済的な不透明性の拡大などが含まれていた。
しかし、減損は別にして、タブコープの20年度業績は少なくともまずまずという結果と言えるもので、収益はグループ全体で4.8%減のみにとどまり52億2,000万豪ドル(約3,970億円)、そしてEBITDAは11.5%減の9億9,500万豪ドル(約750億円)だった。