衆院議員の秋元司被告(49)が収賄罪で起訴されたIR(統合型リゾート施設)汚職を巡る証人買収事件で、贈賄側被告に虚偽の証言をする見返りに現金の提供を持ちかけたとして、組織犯罪処罰法違反(証人等買収)に問われた会社役員の佐藤文彦(50)と、元会社役員の淡路明人(54)の両被告は2日、東京地裁で開かれた初公判で、いずれも起訴内容を認めた。検察側は両被告にそれぞれ懲役1年2月を求刑し、結審した。主要メディア群が報じた。
両被告は、ことし7月、衆議院議員の秋元司被告が起訴されたIR(統合型リゾート施設)の汚職事件をめぐって、贈賄側の中国企業「500.com」の元顧問に裁判でうその証言をするよう依頼し、現金2,000万円を渡そうとしたなどとして証人等買収の罪に問われている。2日、東京地方裁判所で開かれた初公判で、2人は起訴された内容について認めた。
淡路被告は「秋元議員から『賄賂を受け取っていない』と言われ、信頼していたから疑わなかった。贈賄側は金で転ぶと思い、お金を渡すことを私から秋元議員に申し入れた」と述べた。
検察は「極めて悪質な司法妨害行為だ。証人等買収罪は平成29年に新設されたが、今回のような証人買収が功を奏すると、裁判での真相解明が困難になり、違法性が高い」として、2人に懲役1年2カ月を求刑した。
この事件では秋元議員も証人等買収の罪で起訴されているが、弁護士によると、秋元議員は関与を否認しているという。