米カジノ大手のラスベガス・サンズ(LVS)が、アジアにある残りのゲーミングポートフォリオ全体を中心に置く60億米ドル(約6,292億円)の取引の一環として、ラスベガスのカジノを売却する可能性に関して初期段階の協議を行なっている。
アジア時間火曜朝に公表されたブルームバーグのレポートによると、LVSの代表者が売却に関する初期段階の話し合いが行われ、ザ・ベネチアン・ラスベガス、ザ・パラッゾおよびサンズ・エキスポ・コンベンションセンターを売却する可能性があることを正式に認めた。
LVSは、新型コロナウイルスによって純収益が82.0%減の5億8,600万米ドルに落ち込んだことによって2020年7-9月期にグループ全体の営業損失が6億1,000万米ドルにのぼった事を報告しており、それから1週間たたずに今回の売却の可能性のニュースが伝えられた。同社は第2四半期、9億8,500万米ドルの損失を報告していた。
LVSはまた、マカオとシンガポールの両方で、マリーナベイ・サンズの33億米ドルの拡張、そしてサンズコタイセントラルの22億をかけたザ・ロンドナー・マカオへの改装など大きな資本支出が伴う工事を行なっている。
LVSは以前、日本での統合型リゾート開発の最有力候補者だと考えられていたものの、5月、シェルドン・アデルソン会長兼CEOが、規制環境をめぐる懸念から日本を撤退すると発表した。もし、条件が改善されれば、または東京が統合型リゾート開発候補地として浮上すれば、同社が日本への関心を再び検討する可能性は高いと指摘されている。
87歳のアデルソン氏は、ラスベガスの衰退する財産を復活させたことで高い評価を受けた。1998年に1億2,800万米ドルで古いサンズホテルを購入し、それを取り壊して、ザ・ベネチアンおよび隣接するサンズ・エクスポ & コンベンション・センターを建設したことで、最終的にこの街を前進させることになるコンベンションモデルを作り上げた。
しかしながら、アデルソン氏が予想資産300億米ドル以上でフォーブス誌の億万長者ランキングで19位にランクインするのを助けたのはマカオとシンガポールだった。マカオは2019年、LVS収益の63%を生み出し、新型コロナウイルスが業界を停止させる前、シンガポールは22%を生み出していた。
ブルームバーグによると、LVSは現在、同社が持つラスベガス施設に関心を集めるため、アドバイザーと協力している。