フィッチ・レーティングスは、ゲンティン・バーハッドとその完全所有子会社であるゲンティン・オーバーシーズ・ホールディングス(GOHL)、リゾートワールド・ラスベガス(RWLV)を「BBB+」から「BBB」へと引き下げ、その理由に高い資本支出確定額と予想よりも遅い新型コロナウイルスからの回復を挙げた。
金曜のレポートの中で、フィッチは、以前は2021年に収益とEBITDAが新型コロナ前の水準にまで復活すると予想していたものの、現在は回復には少なくとも2022年末までかかると予想していると述べた。
格付機関のフィッチは、「ゲンティンの連結EBITDAは2020年、80%減の15億リンギット(約381億円)に落ち込み、その後2021年に徐々に42億8リンギットへと改善し、2022年に74億リンギットにまで回復する。
パンデミックが同社のキャッシュフローを弱め、今後2,3年のその高い資本支出額がレバレッジの解消を遅らせる。
今回の引き下げは、新型コロナウイルスのパンデミックからの回復が、特にシンガポールで当初の予想よりも遅れるというフィッチの予想を反映している。シンガポールは海外からの観光客に依存しており、国境は2020年の残りの期間、閉鎖されたままになる可能性が高く、社会的距離確保措置が継続していることが来場者数を抑制している。
回復の遅れと高い資本支出額によって、ゲンティンの連結ネットレバレッジ(調整後ネットデット/EBITDAR)は2024年末まで2倍を超えることになり、これはもう「BBB+」の格付には一致しない。
ゲンティンの子会社であるGOHLとRWLVの引き下げは、両社ともに全体的に親会社と強く結び付いていることが理由で、GOHLはゲンティン・シンガポールの52.7%の株式を保有するホールディング会社となっている。
故に両方がゲンティンを今後12か月間の資本支出計画に直接さらしており、ゲンティン・シンガポールは45億シンガポールドルのリゾートワールド・セントーサの再開発と2021年半ば開業予定のRWLVの開発の真っ只中にある。ゲンティン・マレーシアのリゾーツ ワールド ゲンティンもまた独自の10年間の再開発計画の終わりに近づいている。
フィッチは、「これらの確定額がレバレッジの解消を遅らせている。」と述べたものの、ゲンティンが「2023年末までに、着実な回復、RWLVでの営業の強化、そして強固な資本構造へのコミットメントに支えられてレバレッジを3倍近くにまで下げる」とも予想している。