クラウン・リゾーツの筆頭株主であるジェームズ・パッカー氏が、昨年メルコリゾーツでのマカオの元ビジネスパートナーに19.99%の株式売却を選ぶことによってクラウン幹部のアドバイスを却下した。
NSW独立酒類・ゲーミング局は現在、22億豪ドル(約1,637億円)のクラウン・シドニー開発のためのNSWカジノライセンスを保有する適性がクラウンにあるかを調査している。この調査を最初に誘発したパッカー氏の重大決定につながった一連の出来事の詳細が、財務部長のマイケル・ジョンストン氏の月曜の証言の中に含まれていた。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙によると、ジョンストン氏は2019年5月、同社が米カジノ大手のウィン・リゾーツとの間でその前月に買収の可能性に関する最初の協議を持った後、パッカー氏に対して持株の一部または全ての売却に関して様々な選択肢を提示していた。
代わりにパッカー氏は5月26日、ジョンストン氏にテキストメッセージを送り、「マイケル、これは私の人生だ、君のアドバイスを却下する」と述べた。
パッカー氏は当時、個人の投資会社コンソリデイティッド・プレス・ホールディングス(CPH)を通じてクラウン・リゾーツの46%を保有していた。パッカー氏のその持株に関して他の選択肢も提示したにもかかわらず、ジョンストン氏は月曜、調査に対して、メルコへの株式売却が、マカオのカジノ王であるメルコのスタンレー・ホー博士とのつながりからNSWカジノライセンスへの脅威となるとは考えていなかった、そしてジョン・アレクサンダー会長以外の他の会社幹部にパッカー氏の決定に関して伝えなかったと証言した。
2014年にNSW規制当局との間で結んだ契約の下で、クラウンはホー博士または博士に関係する複数の企業のいずれとも取引を行うことを禁止されていた。その1社であるランスフォードの取締役にはメルコのローレンス・ホー会長兼CEOが名を連ねていた。
ジョンストン氏は、「あの当時からの知識を基にすると(中略)スタンレー氏がメルコリゾーツに利害関係があったことを示すものはない。だから知る由もなかった。
当時適正なアドバイスをしたと考えていた。今になって思い返せば、おそらくもっと深く見るべきだったと思う」と述べた。
ジョンストン氏は、アレクサンダー氏はパッカー氏によるクラウン株19.99%のメルコへの売却計画を聞いたときに嬉しそうではなかったと述べた。しかしながらそれは、アレクサンダー氏が、株式オプションによって、ウィン・リゾーツとの間でそれまで協議されていたような完全買収から大きな利益を得る立場にあったという事実によるものである可能性がある。
ウィンは2019年4月にその取引から手を引き、「準備段階の協議が中途半場に明らかになった」ことを理由に挙げていた。
調査の最新展開のたった数日前にクラウンは、アジアのジャンケットとの関係性に関する調査中に生じた疑問によって2021年6月30日まで全てのジャンケットプレイを停止すると発表していた。