秋元司衆議院議員が起訴されたIR(統合型リゾート施設)をめぐる汚職事件で、贈賄の罪に問われた札幌市の観光会社「加森観光」の前会長、加森公人被告(77)に対し、東京地方裁判所は、懲役10カ月、執行猶予2年を言い渡した。複数メディアが報じた。
加森被告は、中国企業500ドットコム社の元顧問らと共謀して、おととし2月、衆議院議員の秋元司被告と家族を北海道留寿都村に招待し、およそ76万円の旅行代金を負担したとして、贈賄の罪に問われた。裁判で加森前会長は起訴された内容を認め、検察は懲役10カ月を求刑していた。
25日の判決で、東京地方裁判所の丹羽敏彦裁判長は「現職の副大臣に対し、家族の分も含めて往復の交通手段や最上級客室への宿泊のみならず、遊興飲食に至るまで、至れり尽くせりの特別待遇を丸抱えで行っている。贈賄の思惑があって、それなりの負担をした」、「副大臣からIR関連法案に関し立ち入った内容の情報提供を受けるなどした」と指摘。一方で「代表取締役を退き、反省の態度を示している」などとして、懲役10カ月、執行猶予2年を言い渡した。