マレーシア最大の銀行、メイバンクは、新型コロナウイルスによる影響から、ゲンティン社の43億米ドル(約4,551億円)という大規模プロジェクト、リゾートワールド・ラスベガス(RWLV)の展望に関して現在は「確信を持てない」と話す。
同リゾートが予定する2021年夏の開業まで1年を切る中、メイバンク株式市場リサーチ部門アソシエイト・ディレクターのサムエル・イン・シャオ・ヤン氏は、RWLVが開業直後に利益を出せないのではという正直な懸念が出てきているのは間違いないと話す。
同氏はレポートの中で、「これまでに、ゲンティンはRWLVに24億米ドルを投資してきた。米国は現在新形コロナの世界的流行から最も大きな打撃を受けている。もし米国での新型コロナのパンデミックが2021年夏のRWLV開業までに安定しなければ、損失を生み出すと危惧している」と述べた。
メイバンクは、現在、ゲンティン社の状態の評価の中でRWLVに「nil value(無価値)」をつけており、同社を「Buy」から「Hold」に引き下げている。
新型コロナウイルスのパンデミックは、ゲンティンとその子会社にとって特に困難であることが分かっており、その全社がこのパンデミックの様々な段階において、それぞれのカジノやホスピタリティ施設の休業を余儀なくされたことで、ここ数週間に重大な損失を報告している。
メイバンクは、ゲンティンの2つの主要子会社、ゲンティン・マレーシアとゲンティン・シンガポールの展望は入り混じっていると指摘した。
イン氏は、「49%所有のリゾーツ ワールド ゲンティン(RWG)はゲンティン・マレーシアの予想よりも好調に推移している。RWGは2020年6月19日に営業を再開し、一日当たり3万人程度の来場者だったが、今では一日4万5千人ほどを迎えている。RWGは通常の来場者数の3分の2を取り戻している可能性がある」と説明し、
しかしながら、ゲンティン・シンガポールは「外国からギャンブラーが来ないこと、そして社会的距離確保の要件によって、(リゾートワールド・セントーサが)近い将来損益分岐点を達成できるとは予想していない。
カードメンバーであるトップ層の現地VIPにのみ現在ギャンブルが許可されているが、歴史的に彼らがRWSのギャンブル客に占める割合は小さかった」と述べた。