オーストラリアのスター・エンターテインメント・グループは、新型コロナウイルスが世界的に流行していた間、シドニーとクイーンズランドのカジノの営業を休業したことから大きな打撃を受け、2020年6月期9,500万豪ドル(約72億円)の損失に転落した。
収益は14億9,000万豪ドル(約1,130億円)へと31.1%減、そしてEBITDAは2億8,200万豪ドル(約214億円)へと49.0%減少した。新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年7月から2020年2月までの期間、収益は10.1%減の13億5,000万豪ドル(約1,028億円)、そしてEBITDAは35.0%減の2億6,400万豪ドル(約200億円)となっており、スターは6,700万豪ドル(約50.8億円)の利益で推移していた。
スターは、来場者数が鈍化する前、新型コロナウイルス前の同期間、旗艦施設であるザ・スター・シドニーは国内およびVIPゲーミング部門の両方で、19年度と比べて比較的横ばいで推移していた一方で、ゴールドコーストとブリスベンにあるクイーンズランドの施設ではVIP収益が80.3%増加し、来場者数が鈍化しても、19年度を62.0%増の2億3,500万豪ドル(約178億円)で終えることができたと述べた。
会計年度末以降の業績を明かしたスターは、7月のVIP取扱高は2019年7月のたった5%にまで落ち込んだものの、国内ゲーミング収益は7月1日から3日の間に施設を再開してから8割にまで回復したことを報告した。同社は、8月17日までクイーンズランドでは同様の国内トレンドが続いているが、ザ・スター・シドニーは、最近再び厳しい社会的距離確保措置に戻ったことによる影響を受けていると付け加えた。
マネージングディレクター兼最高執行責任者のマット・べキアー氏は、「ザ・スターのビジネスは根本的に強い。これは2020年度上半期から2020年度下半期初めにかけての収益成長率の上昇によって証明されている。統合型リゾート網への投資による長期的な価値向上、そして訪問客数と利益を後押しするための継続的な業務改善の意味合いは変わらず大きいままだ」と述べた。
スターは、20年度の最終配当を発表しなかった。