ギャラクシーエンターテインメントグループ(GEG)のルイ・チェ・ウー会長は、例えば政府がIRタイムラインを大きく変更したとしても、同社の日本統合型リゾート開発への固い決意は、変わっていないという。
木曜日、2020年GEG 第2四半期業績発表でこのコメントをあげた。5月に日本から撤退したラスベガス・サンズ等、いくつかの大手世界事業者が逆方向に進んでいることを考えると、注目に値する発言であった。
ウィン・リゾーツも横浜の事務所を閉鎖し、唯一の大阪IR誘致の候補事業者であるMGMリゾーツは第2四半期業績発表である程度の躊躇を初めて示した。
ルイ博士は日本での可能性についてそのような気がかりを示さなかった。
「国際開発計画も継続中であり、日本のIR開発のスケジュールは、新型コロナウイルスの世界中での感染拡大の影響を受ける可能性についても理解していますが、それに応じた調整は可能であり、日本市場への参入に引き続き取り組んでいきます」と述べた。
業績発表でギャラクシーは「日本を拠点とするチームは日本での開発活動を継続中です。日本は、長期的に見て大きな成長機会があり、当社のマカオおよびその他の国際的な事業計画を補完することになるでしょう。GEGは、モナコ公国のモンテカルロSBMおよび日本のパートナーと共同で、日本でワールドクラスの統合型リゾートを展開することを楽しみにしています」と加えた。
ルイ博士のコメントとは対照的に、ラスベガスの「ビッグ4」を含めて日本の市場を狙っていた多くの事業者が撤退または躊躇を示している。
シーザーズ・エンターテインメントは去年8月に、先月ようやく成立したエルドラド・リゾーツと173万米ドルの合併に集中するために日本から撤退した。
日本の大都市圏で一番有力な候補とも言えるラスベガス・サンズは5月に日本からの撤退を発表し、会長兼CEOシェルドン・アデルソン氏は「IR開発に関する枠組みによって同社の日本での目標が達成できなくなった」と述べた。
ウィン・リゾーツのCEOマット・マドックス氏は先週ウィンの横浜事務所を閉鎖したことを明らかにし、「そのビジネスがどのようなものになるのか、世界がどうなっていくのか、そしてそこでの規制は実際どのようなものになるのかがもう少し明らかになるまでは活動をほぼ停止するという決断を3月に下した」と付け加えた。
大阪でのIR開発レースに唯一残っているMGMリゾーツは、最近ビル・ホーンバックル氏をCEO兼社長に任命し、7月にホーンバックル氏は「我々がこの投資に完全に『オールイン』でない点も気に入っており、IR開発が恐らく遅れること、そしてこの投資に興味を持っている誰しもが、特に我々にとってうまくいけばこれをより良い投資にしてくれるだろう話し合いが再開できるということも喜ばしい点だ」と述べた。
元会長兼CEOジム・ムーレン氏はこのように躊躇することはなかった。
おそらくこれを踏まえ、ギャラクシーは木曜日の業績発表で現金および流動性のある投資は498億香港ドル、ネットキャッシュは436億ドル、事実上借入金がないと財務体質の健全性を公言した。
長く、負債を積まずに現金に重点を置く方針を持つとして有名なギャラクシーは、新型コロナウイルス感染拡大の中、借入しないで済んだ2つのマカオ事業者の1つである。
ほとんどの世界トップの統合型リゾート事業者が日本のIR事業者選定プロセスについて多少不安を示している中で、ギャラクシーのルイ家がフルサポートと完全な柔軟性を示している。
この「ロングゲーム」の考え方やアジア市場と政府について優れた理解力があるからこそ、ルイ家は数十年をかけて成功を重ねてきた。特にギャラクシーエンターテインメントグループはたったの16年でIR業界の新参者からリーダーへと昇進昇格した。
今後の数カ月や数年間をかけて日本のIRレースで様々な紆余曲折が現れることは間違いない。しかし、アジアに対しての鋭い感受性、健全な財務体質、柔軟性、プロセスへの決意を合わせて、ギャラクシーは強力な競争者である。
日本IR事業者の他の候補社よりも賢く進行し、ポールポジションまで進んだと言えるかもしれない。