新型コロナウイルスの影響で2020年3月15日からマニラ首都圏で導入されているコミュニティ隔離措置が、株式会社ユニバーサルエンターテインメントにさらに広範囲の影響をもたらしているようだ。フィリピンの統合型リゾート『オカダ ・マニラ』に隣接する36,610㎡の土地の購入者がためらいの色を見せている。
ユニバーサルの2020年上半期決算短信に含まれていた情報によると、同社は正式に、「固定資産の売却先」から、売却対象物件の引き渡し及びその決済の時期の延期に関する文書を受け取った。ユニバーサルは、両当事者がマニラでのロックダウン解除に伴って経済活動を再開することを予見していると述べた一方で、すでに締結済みの土地売買合意書への変更を当事者間で検討していると付け加えた。
ユニバーサルは、問題の土地に関してそれ以上の詳細を明かさなかったものの、ユニバーサルの子会社であるEagle I Landholdings Incが2月に131億8,000万比ペソ(約283億円)で売却した、オカダ・マニラ近くの3万6千㎡以上または約4ヘクタールの土地区画に関するもののようだ。当時購入者の名前は明かされなかったが、ユニバーサルは、近隣で世界的な有名ホテルブランドが開発され、事実上オカダ・マニラのための客室供給量を増加させるチャンスだと見ていたという複数の報道があった。
ユニバーサルは以前、同施設の拡張案の一環としてのそのような計画を説明しており、12月には、「相乗効果を見込める企業とのコラボレーション、大手ブランドホテルの誘致」を計画していると述べていた。
土地引き渡しの延期のニュースと同時に、ユニバーサルは、施設の営業の一時停止が続いていることから、20年上半期にオカダ・マニラでの売上高が48.8%減少し161億円に、そして営業損失は2019年上半期の18億2,000万円から52億7,000万円に拡大したことを報告した。同事業区分の調整後EBITDAはマイナス13億2,000万円に落ち込んだ。前年同期は52億6,000万円のプラスだった。
オカダ・マニラの数字とは対照的にグループ全体では、主力タイトルを中心にパチスロ機の販売を行なったことに助けられて、売上高は24.9%増の656億5,000万円にのぼり、営業利益は126億7,000万円となった。