シンガポールの統合型リゾート、マリーナベイ・サンズ(MBS)とリゾートワールド・セントーサ(RWS)で今後数週間に、待ち望んだ訪問客の増加が見られる可能性が出てきた。マレーシアのヒシャムディン・フセイン外務大臣がマレーシア-シンガポール間のトラベル・バブルが早ければ8月17日にスタートする可能性があることを明かした。
フセイン外相が今週この案に関する詳細を現地メディアに発表した。同トラベル・バブルは新型コロナウイルス検査結果の相互承認など、マカオ-広東省間の取り決めと多少類似している。
計画の下で、2つの法域はビジネスや公務での人の往来に関する「相互グリーンレーン(Reciprocal Green Lane:RGL)」と互いの国で就労許可を持つ両国民の往来を認める「定期通勤協定(Peiodic Commuting Arrangement:PCS)」を通じて連携し、越境移動申請を8月10日から受け付け始める。
フセイン外相は、「ムヒディン・ヤシン首相がすでにシンガポールのリー・シェンロン首相とそれについて協議したために、明日か明後日中にはビビアン(・バラクリシュナン)外務大臣に連絡を取るつもりだ。
だからこれは、両国民が我々がしていることを理解し、そして彼らが自分たちの安全や健康に悪影響を及ぼすことなく責任をもって行うという根拠に基づいていなければならない」と述べた。
フセイン外相は、バブルの実施の成功が、より近い国々に国境を開放するための道を切り開くことになる可能性があると付け加えた。
シンガポールのカジノは7月1日に再開したものの、国境閉鎖によってIRに通うのはシンガポール国民と永住者のみで、メイバンクのアナリスト、サミュエル・イン・シャオ・ヤン氏は現在のビジネスレベルは、閉鎖前の水準の12.5%から25%の間だと予想する。
以前の5,000万シンガポール(約38億2,112万円)の利益予想から下方修正し、2020年には2億1,500万シンガポールドルの損失を計上すると予想するリゾートワールド・セントーサに関するリサーチレポートの中で、イン氏は、多数のマレーシア人が戻ってくる可能性が高い事によって、「国民や近隣の内陸地域のマレーシア人をよりターゲット」にするシンガポールではVIPよりもマス市場のゲーミングが早く回復することになると話す。
しかしながらイン氏はまた、シンガポール政府観光局(STB)が、施設は収容可能数の25%を超えないよう入場者数を制限しなければならないと最近発表したことを受けて、シンガポールのカジノがマレーシアやマカオのカジノよりも厳しい社会的距離確保措置を実施しているようだと指摘した。
同氏は、「我々は、STBが言う『収容可能数』がテーブルや電子ゲーミング機の台数ではなく、一度にカジノにいるギャンブラーの数だと推測する。
もしこれが本当ならば、シンガポールのカジノ(RWSとMBS)に課されている社会的距離の条件は、マカオやマレーシアのカジノに課されているもの以上だ」と述べた。