マカオ政府観光局(MGTO)局長のマリア・ヘレナ・デ・セナ・フェルナンデス氏が、マカオグランプリをコタイに移すべきというマカオの元スポーツ長官の最近の提案に否定的な姿勢を示した。
マニュエル・シルベリオ氏は5月、TDMニュースとのインタビューの中で提案の概要を説明し、ごちゃごちゃしたギア・サーキットから、モダンでよりスペースの広いコタイへと移すことで、地元住民への負担が軽減されるだろうと主張した。
同氏の提案は、そういった動きがどう見られる可能性があるかに関して多くの議論を呼んだ。その一方でセナ・フェルナンデス局長は、現在のコースの歴史的な特徴を考えるとその可能性は低いと説明している。
局長は、先週IAGが後援したセントレジス・マカオでの 「AustCham Macau(在マカオ豪商工会議所) “Power Hour”」の中で、「マカオグランプリは歴史あるサーキットで行われるからこそ面白いと思う。単にカーレースをしているというだけではなく、歴史ある街の中心で66年以上の歴史を持つカーレースをしているということだ。
特定の側面において、モナコとよく似ている。人々がモナコグランプリに行きたがるのは、その年で最も面白いレースであるからではなく、非常に歴史あるレースだからだ。そのコースが街にとって非常に、非常に特別な意味を持っている。
同様にマカオでも、コタイに移せば全く違うイベントになってしまう。だから、私としてはコタイにグランプリを移すことには賛同しない」と述べた。
しかしながら、セナ・フェルナンデス局長は、マカオの有名なギア・サーキットで再び戦いが繰り広げられることについては正式に認め、MGTOがメンバーに名を連ねるグランプリ組織委員会が先週、今年のレースを開催する方向で進めることを決めた。
局長は、「まだ不確実なことが多いが、グランプリは予定通り行われる。現時点で最大の問題は、様々な場所にいるレーサーたちだ。11月になった時に、マカオのレースに誰が来れて誰が来れないのか?ということだ」と述べた。
MGTOは、今年のイベント開催中に新たに改装・拡張されたグランプリ博物館のオープンも目指している。
1993年に初めてオープンしたこの博物館は、8.3億パタカ(約110億円)をかけた大規模改装のために2017年7月から休業しており、セナ・フェルナンデス局長は、イギリスのマダム・タッソー蝋人形館とのコラボレーション企画などが新たに加わることを明かした。
局長は、「車だけではなく、8体の蝋人形も見ることができるようになる。これはマダム・タッソー館との初のコラボで、蝋人形は世界中の異なる形式のカーレースに参戦した歴史上そして現役レーサーたちがモデルになる。オープン後は多くの人に来ていただきたい」と述べた。