モルガン・スタンレーのアナリストたちによると、マカオのカジノ事業者たちは、20年第3四半期に損益分岐点のEBITDAを達成するはずだという。その背景には、日々の事業費削減、そして広東省との入境制限の緩和がある。
火曜のレポートの中で、アナリストのプラビーン・チャードハリ氏、ギャレス・レオン氏、そしてトーマス・アレン氏は、1日のEBITDAは、現四半期に20年第1四半期と同水準の1.6億米ドル(約171億円)程度の黒字に戻ると予想している。これは20年4-6月期に予想されている10.7億米ドルというマイナスのEBITDAからの大幅改善となる。
モルガン・スタンレーは、「GGRは少なく、収益ミックスは弱い方で(VIPがマスを上回っている)であるにもかかわらず、業界のEBITDAは20年第3四半期に損益分岐点を超えるはずだ。
これは、第1四半期に行われたコスト合理化によるもので、全体の事業費が前四半期比で18%減少した。そして第2四半期には前四半期比でさらに5%の削減を予想している。
第3四半期EBITDAはコスト削減にもかかわらず、第1四半期よりも少ない可能性がある。それは主に、収益ミックスが有利な組み合わせではなくマスの回復がVIPよりも遅れているからだ」と述べた。
アナリストたちは、第3四半期に第1四半期よりも多いEBITDAを生み出す可能性が高い企業としてギャラクシーエンターテインメントグループとサンズ・チャイナを挙げており、業界全体の事業費は、2020年後半の2四半期中に前年比で8から14%継続して減少し、「それによって企業はGGRがまだコロナ前の水準に達していない中でもEBITDAをその水準に戻すことができるはずだ」と付け加えた。
その中でEBITDAは、前年比93%減を示す20年第3四半期の1.6億米ドルから、20年第4四半期には前年比42%減の14億米ドルへと改善すると見られている。
マカオの事業者のゲーミング粗収益は、渡航制限の緩和が続く中で、20年第3四半期には前年比59%減の290億パタカ(約3,880億円)、そして20年第4四半期には前年比23%減の556.5億パタカ(約7,450億円)となることが予想されている。